飯能で首都大学2部を見る/獨協大 x 足利工業大

獨協大 4 - 1 足利工業大
4/29 飯能市民球場 観衆約300人(目測)


今年はちょっとテーマを持って野球観戦をしようと思っている。それは「新規開拓」。
ここのところ、見る試合・野球場が似通ってきていて、初めて行く球場というのが減ってきていてマンネリになっているような気がしていた。
特に大学野球は早稲田ばかり見ていて、他のリーグがおろそかになっている。そうなると都合が良いのが、いろんな球場をまわっている首都リーグ、しかも2部なんかがいい。
調べてみると飯能で試合をやっている。これなら、西武沿線のハイキングをしたあとなどに見にいけそうだ。

晴れた休日、奥武蔵の山を軽く歩いてから西武線の元加治という駅で降りる。構内には西武線らしく本日のライオンズのスコアボードが書いてある。先発投手だけは書いてあるが、スコアはいちいち駅員が書いていくのだろうか。
ここから県道に出て、10分ほど行くと県道沿いに高ーい防球ネットが見えてくる。ほんとうに道にすぐ近くだ。
この前の熊谷と同じで、2部だから入場料は無し。ややくたびれたスタンドへ入ると、熊谷の時と同じかそれ以上の観客がいる。でもやっぱり大部分は部員とその家族・関係者で、僕みたいな野球マニアはどれくらいいるのかわからなかった。
この日の試合は足利工大獨協大の対戦。僕が入ったのはすでに3回くらい。

足工、獨協のどちらのピッチャーもすごくオーソドックスな感じで、コントロールは良く大崩れしそうにない。0-0のまんま、どちらも決め手なく試合は進む。
声援は、どちらかというと独協大のほうが多い気がする。一塁側の足利工大スタンドにはノボリが立っていた。三塁側の獨協大は部員が多数いて声援を送っている。首都大リーグというと以前相模原や昭島で1部の試合を見たことがあるが、なんとなくそのときより観客が多い気がするのは気のせいだろうか。「2部リーグ」というと、大学のグラウンドを使用して試合をこなすイメージが強かったので、この前の熊谷もそうだが、観客がそれなりにいるというのは意外だった。
それにしても、2部だと無料になるのはなぜだろう。公共施設を使っているので使用料がかかるはずだが。ちなみに1部の試合で日体大の施設を使う場合でも有料である。

この飯能市民球場の特徴といえばスタンド裏の崖。去年見た小諸市民球場は外野の巨大な壁のインパクトがとても強かったが、こちらは天然の崖である。県道と崖に囲まれた狭いスペースに押し込んだ、というかむりやり山を切り開いて造ったという感じがする。でもとにかく自然に囲まれながら観戦できる点ではいい。バックネット裏スタンドはそれほど大きくなく、内野には一段低くなったところに芝生スタンドがある。こういうところは海老名球場に雰囲気が似ていると思う。


試合は7回にようやく動く。足工が満塁までため、ストレートをひたすらファウルで粘り、押し出しの四球をもぎとって1-0とする。足工はここまで好投の吉田拓矢から柳澤鷹史にスイッチする。この投手は吉田とはガラリと変わって力投型で、140くらいは出ているかもしれない。

ベンチからはどちらもよく声が出ている。特に獨協大のベンチ。学生コーチなのかもしれないが、ひとりものすごく声をあげて仲間を鼓舞する選手がいる。僕はベンチから出す声を聞くと、なにか無理やりやらされている感じを覚えてしまうのだけれど、この選手(というかコーチ)も最初はそんな感じを覚えた。だが、そのうちこの大声がすごく頼もしく覚えてくるようになった。足工に1点リードされてからも声が小さくなることはなくむしろより強く選手を鼓舞するようになった。
その気迫が通じたか、8回に3連打で同点に追いつくと、9回にまた連打で逆転。さらにタイムリーが続いて3点をあげ4-1と突き放す。7回に点を取られても逆転できるのは強いチームだ。獨協は3投手ともいいピッチャーだったが、個人的にはかの学生コーチ君にこの試合のMVPをあげたいと思った。


2部の試合といえどもゲームは締まっていて、なかなか面白かった。天気も良く、涼しかったので観戦環境も最高だったし、足を運んでみて良かったと思える試合だった。