ドラフト会議へ行ってきました。


ある日、僕はメールを見ていると「プロ野球ドラフト会議 当選のお知らせ」なるメールが届いた。
まさか、と思って開いてみると、NPBからの当選メール。これは驚いた。なんでも当選倍率が20倍という狭き門で、僕は今年で応募したのは2回目。当選するとは思っていなかった。今年は大学生に楽しみな候補が多く、ドラフトも面白そうだったので余計に嬉しかった。


舞台となる新高輪プリンスホテルは僕の職場から歩いて行ける。仕事を早退させてもらい急いで歩いて行くと、20分くらいで着いた。

すごいゴージャスな(死語)ホテルのロビーにキョロキョロしつつ(←田舎者丸出し)ホールの3階に上がると、そこにはNPBの旗が。

スタートは17時。スポンサーさんのコーナーもあるらしいのだがそれは休憩時間に置いておいて、ホールでおとなしく待つことに。
 
後ろを見るとたくさんのテレビカメラが。しかも、カメラマンが正装。


17時定刻にスタート。本会議中は撮影禁止なのだが、どうもちらほらとシャッター音が聞こえている。しかも本会議中は入退室禁止と聞いていたのに、人の出入りがある。結構いいかげんなんだな。


ドラフトは報道の通り、1位指名で田中正義(創価大)が6球団競合のうえ、ソフトバンクがクジを引き当てた。そして、場内が最も複雑などよめきに満ちたのが阪神の大山雄輔(白鴎大)がコールされたとき。大学ジャパンの4番もつとめた強打者だが、あのどよめきは何か。競合を回避した、との思いなんだろうけれど、彼にとっては失礼などよめきでもある。
そして、桜美林大の逸材・佐々木千隼が最初に誰も指名せず、外れた5球団がすべて佐々木を指名してしまうという異常事態に。最初から佐々木に行っていれば一本釣りだったのに、これは完全に相手の出方を読み過ぎてしまった。


1位がすべて確定すると、いったん休憩に入る。僕は隣の部屋のリポビタンD特設コーナーへ向かう。

なんかヘルメットのオブジェに皆で応援メッセージを書いていたり

アンケートに答えてリポDをもらえるコーナーもあったりした。


2位以降は順番に指名していくのだが、高校生の名前がコールされても、僕は高校野球を見ないのでどんな選手だかわからない。時々場内が沸くのだが、おそらく甲子園で活躍した選手だろう。


そんななか、ヤクルトの6位がコールされたとき、僕は耳を疑った。
ヤクルト、菊沢竜佑 相双リテック
「えっ・・・・・・!」
場内は静まりかえったままだった。
たぶん、誰ひとりとしてこの名前を知らないのだろう。ざわつきもしなかった。
しかし、僕は違う。僕は大声を出してしまいそうになった。
横浜金港クラブの、あの菊沢だ


実はスポーツ紙やテレビでも名前が出ていた。僕はそれをこの日の朝に知り、まさかと思った。
アメリカの独立リーグに行ったのは知っていたが、まさか日本に帰って、しかも軟式野球をやっていたとは、全く知らなかった。
それで、ヤクルトのスカウトの目に留まるとは。
いったい何なのだ?!僕は、目の前の光景が信じられなかった。どれくらい信じられなかったかと言えば、3年前の初夏、横浜スタジアムで見た、横浜金港が三菱重工横浜をあと1球まで追い詰めた、あの光景。あれと同じくらい信じられなかった。


通常指名が終わると、人がぞろぞろと帰り始めた。しかし、それでも半分に近いくらいは残っている。育成指名の時間まで残ってくれた人達は、僕にとっては同志と言えるかもしれない。
育成は8球団が指名に参加した。僕の近くにBCリーグの村山会長がいらっしゃったのだが、育成でBCLの選手が指名されるたびにガッツポーズをしたり画面をカメラで撮っていたり。やっぱり嬉しかったんでしょうね。
個人的にはベイスターズ早大の野球サークル出身で信濃GSの笠井崇正が指名されたのが興味深かった。今度横須賀に見に行こう。

会議が終わったのは8時前後だったか。僕の頭の中は菊沢君のことでいっぱいだった。後でtwitterを見たら社会人野球クラスタの人達も皆サプライズだったようで、過去の僕の試合観戦記を見てくれた人もいたようだ。これはもう、戸田に行かなくてはいけない。


初めてのドラフト会議は、ちょっと長かったが楽しかった。思ったより社会人が少なかったのが残念だったが、機会があればまた行ってみたいと思う。まあ、抽選に当たるのはこれが最後かもしれないけれど。