ちょっと納得できないコラム

都市対抗野球が近づくにつれ、いろいろなメディアで開幕前の連載記事や特集記事を目にすることが多くなった。僕はtwitterで社会人野球の話題を提供してくれるアカウントをフォローしているので、そういう情報がよく入ってくる。(ちなみに運営されているのは個人の方らしい。いつも大変重宝しております。ありがとうございます。)


今年はJSPORTSで都市対抗野球の全試合を放映することになったので、同サイトには特集ページが設けられるなど、豊富なコンテンツを見ることができる。
http://www.jsports.co.jp/baseball/toshitaikou/
その中に、都市対抗の歴史をたどっていくコラムがある。著者はなんでも、社会人野球の歴史に精通されているという。
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あんまり細かいことを指摘するのもどうかと思ったが、でもこの方はプロの書き手ということなので、見逃すことはできない。このコラム、綺麗にまとめたように見えるが、突っ込みどころが多い。

企業チームとはまったく環境が異なるクラブチームも共存して予選を戦っていくのも都市対抗野球の面白さである。現実問題としては企業チームがクラブチームから試合を落とすことは許されないという雰囲気もある。企業チームとしては、それだけ背負うものが大きいから、当然と言えば当然でもある。それでも、最もプロに近いアマチュアと、本当に自分が野球をしたくて好きで集まっているクラブチームとが、同レベルで戦う場として存在するのが都市対抗を頂点とした社会人野球なのだ。
厳しい環境でも檜舞台に出られればそれは素晴らしいことなのだ(中略)

このコラムを第1回から読んでいくと、都市対抗野球は日本の産業の推移を映しだすもの、というテーマがあって、ほぼ実業団のチームのことしか触れていない。どうもこの著者は「企業=会社の看板と期待を背負って野球をする:クラブ=純粋に自分達が野球がしたくてやっている」と、ものすごく単純な図式でとらえて書いているようなフシがある。
現実はそんなに単純じゃない。
この第10回のなかで、警視庁野球部を西部ガスや永和商事、ジェイプロジェクトと並べて取り上げているが、警視庁はクラブチーム登録だ。著者の認識だと、警視庁は全く看板を背負わずに野球をやっていることになる。どこの企業よりも名の知れた組織だというのに。
それから、「クラブチームとしての運営をしてきた東海REX」というのも酷い。社会人をあまり知らないファンがこれを読んだら、完全に誤解してしまう。


クラブチームと一言で言っても、チームの成り立ちはそれぞれかなり異なる。今回都市対抗に出る3チームを見てもわかるとおり、市や会社の野球場を優先的に使わせてもらったり、後援会からいろいろな援助をしてもらっていたり、雇用先でも練習を優先させてもらっていたりする。他にも大なり小なり誰かに助けてもらいながらやっているチームがある。登録上のチームの成り立ちだけ見ていてはいけないと思うのだ。


最後に間違いをもうひとつ。
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神奈川県では東芝日本石油日本鋼管三菱自動車川崎(その後三菱ふそう)、日産自動車いすゞ自動車という大企業の6チームが原則三つしかない代表の座を競い合っていたのだが、これに清工建設や横浜高島屋などが食い下がっていくこともあり

三菱重工横浜はどこへ行ったの?