それでもクラブチームを応援しよう

JABAによる突然の「クラブチーム運営ガイドライン」の設定。これにより来年から、チーム登録が20人以上、公式大会時に15人以上確保することが求められ、また大会を途中棄権した場合、翌年の同大会の参加ができなくなるという、厳しい処分が課せられることになった。
突然すぎる。いきなり来年からなんて。
このガイドラインのことについて、JABAから何も発表がない。毎日新聞の記事も最初の1本だけだ。


突然こんな発表があったのはなぜか。今年の都市対抗予選のクラブチームの躍進。これが引き金になったのはほぼ間違いない。
鷺宮製作所ゴールドジムBCに敗れ、三菱自動車岡崎が浜松ケイスポーツに敗れた。富士重工新日鐵住金鹿嶋が全足利に敗れた。
松山フェニックスは四国2強を完封してみせた。他にも接戦になったケースがある。例年と違うといったらこれしかない。


ここからはあくまで僕の穿った見方であることをお断りしておきたい。
企業側から連盟に対して何らかの働きかけがあったこと、それにクラブチームをあまり快く思っていない人が同調したこと。そう思わざるを得ない。

「社会人野球世話人会」東京ドームのビジョンでよく流れるこのCMは、社会人野球に参加している大企業が名を連ねる。普段から社会人野球に対し多大な貢献をしている。単なる競技の参加者というだけでなく、大口のスポンサーでもある。
今まで企業とクラブでは相当な実力差があったから問題にならなかったが、今年の様にクラブと企業の力が近くなり、一部凌駕するようになってしまうと・・
都合が悪い、と考える人間は当然出てくる。社会人野球の運営にあまり貢献していない(あくまで経済的に、だ)ところに活躍されては、まあそうだろう。
連盟の幹部もおそらく企業チームのOBがほとんどだろう。メディアの側にも、「何だかんだと言っても、社会人野球は企業チームの経済的、人的支援で成立している」とはっきり言う人がいる。残念ながら、クラブチームの人達の言い分をきちんと聞いてくれそうな人はあまりいそうにない。
クラブチームの躍進、とよく記事に取り上げてくれる毎日新聞も、この件についてどれだけ突っ込んで記事を書いてくれるかわからない。藤倉聡子さん、書いてくれないかな。


どうせ届かないだろうがそれでも言う。
まず「途中棄権したら来年は参加させない」という決まりは即刻中止してもらいたい。
その上で、まずクラブチームの当事者から話をしっかり聞いて、社会人野球のレベルの維持を目指すならもっと別の方法を考えてほしい。
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22日、歴史的なクラブチーム同士の試合が東京ドームで行われる。
全足利クラブと松山フェニックス。試合だから、どちらが勝つかはわからない。
おそらく「満足」したほうが負けるだろうと思う。東京ドームで、多くのお客さんの前で試合できた、ことに満足してしまうか否かだと思う。


でももう一つ。勝負しなければならないのは、外で見ている人達。
目の肥えたファン、他の企業チーム、連盟の人達、メディア。「やっぱりクラブはこんなもんか」と思われたら負けだと思う。
ぜひ、いい試合をしよう。


東京ドームで会いましょう。