都市対抗開幕のワクワクを吹き飛ばしたJABA


きょうは都市対抗野球の開幕日。全足利が出る。当然ワクワクもした。ここのところ、仕事に行く電車の中でも頭の中は都市対抗本番のことばかりだった。


開幕日前夜。twitterにこんなニュースが飛び込んできた。
http://mainichi.jp/sports/news/20140718k0000m050088000c.html

新制度では選手は常時20人以上登録し、都市対抗、日本選手権、全日本クラブ選手権の2次予選と本大会、地区連盟の承認を得て出場する公式大会では15人以上の選手をそろえる必要がある。人数不足で棄権した場合は、翌年度の同じ大会への出場を認めない。

東日本、中日本、西日本の各クラブカップは今年で終了する。

は?
あなた達なに言ってるの?
いきなり、開幕気分が吹き飛んだ。というか、吹き飛ばされた。JABAはいったい何がしたいんだろう。それも突然に。


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伏線は以前からあったと思う。横尾弘一氏の「都市対抗野球に未来はあるか」(ダイヤモンド社)にこんな記述がある。

大会運営などに協力しなければならない時には「うちはクラブチームなので」という理由で企業チームに依存し、試合をやろうとすれば「クラブチームにも公平にしてほしい」と主張する。そうした社会人野球の意義を理解していないクラブチームが増えると、それは社会人野球の土台を揺るがしかねない。また、しっかりとした理念を持って活動している多くのクラブチームにとっても迷惑な話だ。実際、企業チーム関係者にも、近年のクラブチーム増加を歓迎していない人は少なくない。それは、自分たちの経済的、また精神的な負担が増えてしまうという体験をしているからでもあるのだ。
(『クラブチームと独立リーグがもたらす現実』 p134)

JABAの試合結果表を見ていると、公式戦で棄権するクラブチームはちらほら見かける。今年の都市対抗予選ではざっと見たところ4チームが一次予選で棄権している(天候等の理由でなく)。社会人野球は草野球の延長ではない、中途半端な取り組み方をされては困る、という意図はわからないではない。近年クラブチームが増加しているが、そうなると大会の規模も大きくなり経済的負担が増える。そうなるとどうしても企業側の負担が増えるので、実力レベルや参加する意識という点である程度高いレベルを求め、むやみな拡大を防ぎたいということだろう。


だがちょっと待ってくれ。
"人数不足で棄権した場合は、翌年度への同じ大会への出場を認めない・・"
この考え方でいくと、今年の南関東予選で3日連続降雨順延になり、途中棄権した所沢グリーンBCは「来年は予選に出られません」ということになる。そんなバカな話があるか。
所沢と言えば埼玉のクラブでは図抜けた存在だ。クラブ選手権で優勝する実力を持つチームが中途半端な気持ちで取り組んでいるとはとても思えない。「雨で平日開催になっても、絶対に仕事より野球を優先できる選手が15人以上いるチーム」でないと、大会に出る資格はありません、ということ?
連盟はクラブチームの当事者から意見を聞いたのか?
ちょっと前だけどYBCの谷沢健一さんの日記
横浜金港クラブの監督さんのブログ
きのうの夜には、所沢グリーンBCの監督さんが長文をつづっていた。
廣島 健光 - 怒りの長文。... | Facebook
おそらく、当事者の意見など全く聞いていないんだろう。
(話は変わるが、上に挙げた横尾氏の本。都市対抗野球と社会人野球についてつづった貴重な本なのは認めるが、氏の取材対象は企業チームの関係者とそのOBに偏ってしまっている。氏のブログを見てもそれがよくわかる。)


いったいなぜ突然こんなことになったのか?