野球版Jリーグ(6)◆地域密着の限界


Jリーグのような地域密着をもとにしたリーグが野球でもあったらいいな・・なんて妄想をつらつら書いているが、それはチームが地元で試合をする機会が少なすぎるのではないか、という疑問も根底にある。今年の5月に行った新潟大会のように、東海地区のチームが新潟に出かけて(しかも優勝)いたりとか、秋の日本選手権で三菱自動車岡崎が岡崎会場で試合ができず、茨城県まで行かされたりとか、腑に落ちないことが非常に多いのだ。
この「腑に落ちない」気持ち、これは「JABAの地方大会は観客が少ない → チームの地元では見たい人がもっといるはず → もっと地元で試合をやるべし」という単純な考えから来ている。
・・が、各チームの事情をじっくり見てわかった。「地元」があいまい、もしくは存在しないチームも多いということに。


「地元」を持っているチームはほぼ製造業であり、しかもその製造業の中でも事情によって地域を重視しないチームがあること。
そして製造業以外の業種、たとえば生保や運輸、通信といった企業のチームは、本拠地はあっても登録上だけのものであり、かかわる人々が広範囲もしくは日本全国に及ぶ場合、地元が存在し得ないということ。
企業トップへのインタビューで、地域に関して言及しない人がいるのも仕方がないかもしれない。全国各地に散らばる支社、グループ会社の社員が一同に集まる機会などほとんど無く、野球チームを持つ目的として企業グループの一体感や帰属意識といったものを重視するのも自然だと思える。そこには、特定の地域と共に盛り上がるといった考えが入り込む余地はない。
また企業合併によってチーム同士も統合されたりとか、合理化で統合されたりしたチームの場合、ことさらに地域名を前面に押し出すのも都合が悪いと思える。ひょっとしたら、地域名などいらないと考える関係者がいるかもしれない。
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「日本野球振興世話人会」というのがある。都市対抗本戦で東京ドームのスクリーンに流れる、「私達は社会人野球を応援しています〜」というCM。あれにずらりと名を連ねる、社会人野球に参加する企業の数々。いずれも日本を代表する大企業ばかりだが、社会人野球を支える大きなスポンサーだ。
もし将来、「社会人野球もJリーグのような地域密着のリーグ戦をつくろう」という改革者が現れて(まあ、いないと思うけど笑)、シーズンの試合構成を大胆に変えようとしたとする。都市対抗大会はそのままにするにしても。
たぶん意見が割れるだろう。地域貢献に良いと賛成のチームもあると思うが、現状維持、もしくは反対の企業の方が多いだろう。連盟としては、スポンサーの意向は無視できない。話が簡単に進まないのは容易に想像がつく。


うーん、なんかやっぱり、「やっぱり無理」という結論へ進んでいる気がする(笑)。地域密着という方向性は無理か・・ あとはクラブチーム頼みなのか。
では、地域というのはひとまず置いといて、現状のトーナメント先行の試合形式はどうにかならないか。他の企業スポーツと比較しても極めて異質なこの試合形式に、僕はずっと疑問を持っている。
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