球場でのスカウト

情報・分析・決断:プロ野球・ドラフト50年/4 評価、自分の目で - 毎日新聞


僕は野球場に行って野球を見るときはたいていネット裏に座る。NPBでも2軍しか見ないし、社会人、大学、独立、すべてのカテゴリーともにネット裏は自由席だから、外野に行く機会はほんの時々になった。


ネット裏で他の観客と混じって見ていて、どんな客層なのかとあたりを見回すと、時折、明らかに他の観客と雰囲気の違う人が混じっている。
日焼けした顔、明らかにガタイのいい体格、分厚い手帳、見るからに高そうな腕時計、ブランド物と思われるバッグ。
そして何より他の人と違うのが、グラウンドを見る目つき。
NPBのスカウトだ。
僕はネット裏に通ううちに、この人がスカウトかどうかだいたい察しがつくようになった。


手にスピードガンを持ってればだいたい間違いない、とは思っていたが、実は近年では「ドラフトマニア」と思われる人がスピードガンを持ってきているのを見たこともある。そして、スコアをつけながら見ている人も全然珍しくない。
それでも、本職の人が全体から醸し出す雰囲気はやっぱり違う。


記事にあるロッテの小野晋吾スカウトも何回か見たことがある。顔を知っているなかで最も見た記憶が多いのが、同じロッテの諸積兼司さんだ。この人は神宮でも西武ドームでも日立市民球場でもお見かけしたことがある。西武ドームのクラブ選手権では、試合を終えたチームの監督さんにわざわざ名刺を渡していた。スカウトとは単に選手を見ていればいいというわけでもない。選手にかかわる人達に顔を売る、まさに営業マンだということがよくわかる。
あと名前はわからないが何度も見たことのある人もいて、それが時折観客のサインに応じていたりすると、「あれ誰だったけな〜」と思い出そうとするのだがたいてい思い出せない。都市対抗のネット裏にいた、黒ブチメガネのわりの若いスカウトの人、誰だったんだろう。


この週末は、大田スタジアムで来年の目玉投手同士が対決する試合がある。おそらくかなりの数のスカウトが集結するんじゃなかろうか。そんな人達の会話を耳をダンボにして聞くのも面白そうだ。