新球団・福島ホープスの今を見に行く@BCリーグ地区チャンピォンシップ第2戦

新潟アルビレックスBC 0 - 1 福島ホープ
9/19 福島県営あづま球場 観衆1285人

9月のシルバーウィークは5連休。今年はとあるボランティア活動をしに宮城県南部に行くことになった。
地方へ行けば当然野球を見たい。行くとしたら楽天の2軍本拠地がよかったが、この19日に試合が行われる利府球場は、”あの”嵐のコンサート会場のすぐ近くにあり、周辺道路や交通機関の大混乱が予想されたため、同じ日に福島で行われるBCリーグプレーオフに行ってみることにした。ホープスの本拠地に行くのももちろん初めてだ。BCリーグの本拠地というと、福井、石川、富山の3県にまだ行っていない。

車で都内を抜けるのに時間がかかり、福島西インターを降りたのが6時半過ぎ。であづま球場のスタンドに入ったのがまさに福島の先発・山岸大輝(日大国際関係)が第1球を投げる直前だった。入場料は1500円。
入ってみたところ、予想はしていたがほぼ福島のホーム。ただ一塁側には新潟から来たと思われるファンが15人くらいいる。

あづま球場は両翼100m、中堅122mで収容は3万人。東北の地方球場の中でも有数の規模を誇り、ハードオフ新潟や松山ぼっちゃんと並んで独立リーグの本拠地では最も大きい。雰囲気はなんとなく大宮公園を思い出したが細かいところはもちろん異なる。
7時に始まった試合は新潟が田村勇磨(日本文理)、福島が山岸大輝(日大国際関係学部)。僕は今年独立の試合は3試合目だがいずれも山岸が投げている。
先制は地元の福島。1回に先頭が四球で出塁、セオリー通りにバントで送ると、3番佐藤貴規(仙台育英)がセンター前にヒット。これを見てランナーが一気にホームイン。返球も良かったが好走塁が勝った。貴規には個人スポンサーがついているようで、地元福島でもかなり人気があり声援が大きい。

で、ここからずっと膠着状態が続くことになる。特に新潟の田村が調子を上げ、最速は141km。福島のチャンスが少なくなり、僕は球場内の様子をいろいろ見ることにした。
福島の客層は他のBCリーグの本拠地同様、老若男女そろっている。面白いと思ったのは、チアリーディングチームが客席に散らばって応援を盛り上げるところ。他のチームではあまり見たことがない。

スタジアムDJが選手をコールするのだが、声がでかすぎて音が割れてしまうのが気になる。今思うと、湘南シーレックスのケチャップさんはうまかったな。
独立の試合の時は食糧を必ず現地調達する僕が売店に行くと、やたら行列している。豚汁、カレー、あとビール等があったらしいが、明らかに準備不足で、お客の数にまるで対応しきれてない。店も素人のおばちゃんばかり。
散々待たされた挙句、200円のカップ麺1つという悲惨なことに。プレーオフが直前まで決まらなかったからだろう。


あちこちうろうろしているうちにいつのまに中盤を過ぎる。福島は生島大輔(早大JR東日本)がマルチヒットを放って目立った以外はチャンスをあまり作れず、7回裏に新潟が田村から渡邉雄大青山学院大)という左のサイドハンドに代わってからさらに打てなくなる。この投手、体を閉じ気味に構えたフォームからなんとも球が見づらそうな腕の振りで投げる。直球はあまり速くなさそうだが打者がとにかく打ちづらそうだった。青学時代はリーグ戦で登板しなかったみたいだが、この投手は面白い。この名前は覚えておいたほうが良いと思う。

7回のジェット風船(ひとつ200円)で盛り上がったあとは終盤へ。山岸は無失点のまま好投し、8回に元巨人の真田裕貴に交代。なんかすっかり貫禄の出てきた真田だがヒット2本で2死ながら1,3塁のピンチ。この試合最大のヤマ場だったが、なんとかレフトフライに抑えてスタンドは大喝采。この場面よく粘ったと思う。

9回、抑え役の栗山賢(鷺宮製作所―群馬)が146kmのストレートで押しまくり、福島が1-0で接戦を逃げ切った。
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初めて行った福島ホープスの地元だったが、なかなか盛り上がっていた。なんでもあづま球場では最多の観客数だったとか。それゆえ、あの物販関係の貧弱さが惜しい。次はもう少ししっかりした運営をしてほしいと思う。
次の日に行われた試合で新潟に敗れ、リーグ優勝決定戦には行けなかったが、1年目ながらよく健闘した。監督の岩村明憲は来年も指揮をとる予定だという。