四球を呼んだ「顔」@イースタンリーグ・大和

千葉ロッテ 2 - 3 横浜
8/22 大和スタジアム 観衆1,847人
水曜日に横須賀に行ったばかりだが、中3日またも横浜戦、しかし今度はイースタンリーグである。
夏休みの天候が安定せず、どこか遠出をするつもりが全く出られず、結局この休みで2回目の野球と相成った。今回出かけたのは大和市。すいぶん前に1回行ったきりだが、昨年球場が改修されてから初めて行ってみた。

相鉄線大和駅を出ると駅前に広場があり「大和なでしこ広場」と看板が出ている。2013年に名づけられたらしい。なでしこJAPANには大和市および周辺の出身の選手が何人かいる。
大和スタジアムは駅前からまっすぐな道をひたすら南下する。暑さは相変わらずだが、風が強いのでまだ助かる。
たしか20分くらいで公園入口の森に達するとすぐに球場に着く。切符売り場こそ行列だが、飲食の出店は軽トラ1台だけだ。(球場内コンコースにも飲み物が1箇所売っていた)

内野席は2000円。この日は小学生にかぎり外野は無料。開始30分前でネット裏屋根下は8割がた埋まっているが、陽がさすところはそれほどでもない。ここの内野スタンドはポール際まで伸びているうえに段数が横須賀より多いので、容量はファームには大きい。気温が低ければもっと余裕を持って座れたろうに、暑い。おまけに椅子も熱い。

袖ヶ浦のときと同じく、偉い人の挨拶(市長と、市議会の議長。市議会議長とは珍しい)があって試合開始。ロッテは二木康太で、横浜はビロウという外国人投手。聞いたことがなかったのでおそらく途中入団だろう。
1回はどちらも三者凡退、2回表にアジャ・井上晴哉がフェンス直撃の二塁打を放つと、香月一也がセンター前ヒット。アジャの足では無理だろうと思ったがスタートが良かったのかセーフ。ロッテが先制。
その裏に横浜は加藤政義のセンター前ヒットのほか、エラーと四球で満塁とし、黒羽根利規の犠牲フライで同点。ロッテの二木はボールが先行しそうでいて意外と崩れない。ビロウは序盤こそ打たれたが、長身から角度のある球を生かして次第に調子を上げていく。派手さのない投げ合いが続く。
そんな展開で次に点を取ったのは横浜。4回裏にヒットで出た井手正太郎を柳田殖生が左中間タイムリーで還し1点勝ち越す。NOMOベースボールクラブ出身で、2005年クラブ選手権の優勝メンバーでもある柳田は、このあと一軍に昇格する。

この大和スタジアムは改修された際に最新の人工芝に張り替えられて、遠目からは芝目がよく見える。前に行ったときは等々力みたいな古いタイプの人工芝だったと記憶する。数年にわたりイースタンで使われていなかったのも、芝が硬くなったからではないだろうか。
横浜のファームの地方開催は、平塚、相模原がレギュラーで、あとは小田原、海老名、それと大和。相模原よりも開催機会が少ないせいか、お客は相模原より入っている。両翼がやや小さめ(95m)なのがファームにはネックだが、駅からのアクセスも良いので、もっと試合を増やしても良いような気がする。

レフト外野のロッテ応援席はサポーターがいるにはいたが5人くらい。マリーンズのチャントは声があまり聞こえなかった。
横浜はいつものお兄さんのほかに数人いる。この前のMHPS戦のときはスタンドのノリがイマイチだったので、この日は外野応援も楽しそう。ネット裏には常連の「ご隠居」さんがMHPS戦に引き続き来ていたが、いつものダミ声おじさんの姿は見えない。
7回裏、そこそこ好投の二木から陳冠宇が登板。かつてベイスターズにいたので、スタンドが沸いた。その陳はストレートの制球もよく、三者凡退に取る。
横浜のビロウは7回をわずか4安打1失点で終え降板。初めて見たけれど、スピードこそあまりないが球がよく動き、打者の芯をよく外す。一軍で見てみたくなる投球だった。
8回も両軍は凡退。この試合は投手戦かなと思っていたが、貧打戦と言えるかも。スタンドが盛り上がるには出塁が足りない・・

9回表、大原の後を受けて加賀繁がMHPS戦に続いて登板する。2−1で逃げ切りたかった横浜だが、ここでロッテが根元俊一を代打に出す。
ロッテファンの声援のなか、加賀の球をジャストミート。あれっと思っていたらバックスクリーンに吸い込まれた。あれほど出なかったヒットがあっさりソロという形で出た。これで同点。なんとなく試合が終わってしまうかと思っていたがそうはいかなかった。
しかし代打のドラマはここから。
9回裏。陳は1死を取るも、百瀬大騎に四球を与えてしまい、さらにバント処理を誤り2死が取れず1,2塁。ここで代打に出てきたのは・・

多村仁
球場の雰囲気が一気に変わる。僕は、バッターボックスの後ろ姿だけでオーラを感じた。陳が受けた圧力は想像に難くない。結局、陳は四球を与えてしまった。多村は打つこともなく代走を送られる。これは、まさに「顔」で四球をもらったようなものだった。
続くバッターは、赤堀大智。これもまた迫力十分のバッター。赤堀は粘り、観客が見つめるなか、フルカウント・・・!

「ああ〜」というため息の後に拍手。最後は高めに外れてしまった。赤堀もよく我慢して選んだと思う。押し出しでゲームセットという、ちょっと消化不良な終わり方だった。
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終了後の球場外では、一部の選手がサインをしていたが、一番目立ったのはこの日ファームに落ちていた倉本寿彦だと思う。係員に「時間です」と言われてバスに乗るまでサインをしていた。ずいぶん書くものだと感心した。