今宵は六大学と東都の意地の張り合い@全日本大学野球選手権

専修大 3 - 4 早稲田大
6/11 明治神宮野球場 観衆6,500人

今年の大学選手権の日程を見ると、1試合だけ「第4試合」がある。開始予定は16時30分とあるけれど、開始はずれ込むのが普通なので、ほとんどナイターだ。対戦カードは、六大学代表の早稲田と、東都代表の専修。アマチュア野球に興味ある人で、この試合を見たくないという人がいるだろうか。
球場へ入れば答えは明らかで、外野は解放してなかったがご覧の入り。ある掲示板を見たら、管理職の立場を放り出して早退し駆けつけたOBがいたらしい(笑)

ビールとせんべいをぶら下げてスタンドに入ったのは6時10分前、まだ1回裏。専修の大野亮輔(星稜)が1点を先制されなおも無死満塁のピンチ。おい、好カードを期待したのにいきなり早稲田の強力打線が炸裂かと思ったが、大野は犠牲フライの1点でしのぎ、2-0で2回へ。

両方の応援席を見渡しても、数はほとんど変わらない。気がついたのは早稲田のブラバンの人数が少ないように聞こえたこと。相手に合わせたのかと思ったが、後で午後6時以降は打楽器が禁止だったことを知った。どうりでいつもと様子が違うわけだ。
しかし他にもいつもの応援団と違う点があった。それは後述。

専修の大野は2回以降立ち直り、早稲田につけいる隙を与えなくなる。

逆に専修は4回表、2死ながら1塁にランナーを置き、1年生の秦匠太朗(二松学舎大附)が同じく1年の小島和哉(浦和学院)からレフトの最前列に2ランを放り込んで同点とする。これこれ、やはり六大学と東都の試合はこうでないと。
4回裏早稲田は2死から3塁打でランナーを出すも、セカンドゴロで得点ならず。
5回表は専修、2死からピッチャー返しも、後続が三振。その裏、大野は三者凡退で終える。5回を終わって4安打ずつ、2-2の同点。面白くなってきた。

6回表、専修は先頭出るも、三振、セカンドゴロ、キャッチャーフライ。
6回裏、早稲田はセカンドゴロふたつ、三振。
7回表、専修は内野安打、バント、四球も、バント失敗で併殺。
7回裏、見せ場無し。高めの糞ボールを振ってしまったり、早稲田、ちょっと焦りが出てきたか。
膠着状態。焦れる展開。これぞ大学選手権。六大学と東都の意地の張り合いが、仕事帰りのナイトゲームで見られる。こんな贅沢、なかなかないですよ?

7回にかかる恒例の校歌斉唱だが、早稲田の都の西北がいつもと違う。六大学のリーグ戦のときより明らかにスローテンポになっている。それと、「紺碧の空」を守備時にやっていたりする。いつもと違う部が吹奏楽をやっている??そんなわけないよな・・・

余談だが、応援団員が乗っているこの応援台、これは六大学野球の持ち物だと聞いたことがある。他の連盟の試合の時は借りるかたちになっているという。


8回に入り両軍が動いてきた。早稲田は吉野和也(日本文理)、専修は一人四球の後で高橋礼(専大松戸)とどちらも下手投げを持ってきた。アンダースロー同士の投げ合いという、あまり見た記憶のない場面だ。

明暗が分かれたのはこの回だった。
専修は四球とヒットで2人ランナーを出したが、後の3人は凡退。
早稲田は四球二つで二死1、3塁の場面。四番の丸子達也(広陵)に高橋が投げたボールは打ちごろの高さ。ジャストミートした打球は右中間真っ二つ!4-2と逆転に成功。さらに五番・石井一成(作新学院)が三遊間にライナーを放つがこれをショート・三浦拓馬(札幌第一) が横っ飛びで好捕!追加点を許さず9回へ。
見せ場はまだまだあった。専修は先頭が四球で出ると、伊與田一起(明徳義塾)がセンター返し、さらにバントで一死2、3塁と同点のチャンス。一塁側のテンションは最高になった中、犠牲フライで4-3。どちらに転ぶかこの試合・・

・・吉野が押し切った。最後はファーストゴロ。2時間31分の熱い熱いゲームが終わった。


この大会は最終的には早稲田の強さが際立った大会となったけれど、この試合を見る限り、実力的には全く互角で、どちらに転んでもおかしくなかった。決勝戦でないのが惜しかったが、ナイターで見ることが出来たという点でも貴重な試合だったといえよう。