栃木のチーム、栃木県人にやられる@都市対抗北関東二次予選

富士重工 6 - 4 全足利クラブ
6/6 日立市民運動公園野球場 観衆約1,500人(目測)

昨年のこの時期、北関東の二次予選は太田市。北関東は隔年で太田と日立で交互に予選を行うので、今年は日立市にやってきた。ちなみに鹿嶋市には硬式野球場がないので、鹿嶋の人はいつも遠征を強いられる。カシマスタジアムの近くあたりに球場を造ってあげられないかといつも思う。
前日の全足利は7回まで3点差で追っていたものの、8回に集中打を浴びてコールド負けを喫しており、やっぱり厳しいなと思いつつ、富士重工相手にはせめていい試合を見せてほしいところ。
日立市民球場は駐車場の数が少ないうえ、大会中は関係者のみのスペースになってしまうのだが、ちょっと外れたところに2か所臨時駐車場が設けられる。天気がどうかなと思ったがなんとか持ちそう。

入場料は600円。ちなみにJABA会員の割引料金はなかった模様。プログラムは500円。入場券脇に軽食の販売スペースがあるのはいつもと同じ。
入ってみると、すでに両応援団が陣取っている。全足利はというと、昨年ドームに突貫で組んだ応援団を送りこんだが、この予選でもやってきた。だから人数も去年より多い。


初回はいきなり本塁打で始まる。順調な滑り出しかと思った全足利の先発・中田智暁(専修大)はスバルの3番・竹田育央(明治大) にライトスタンドに運ばれ1-0。
しかし崩れることはなく、2回1死1、2塁から主砲の林稔幸(立正大)を6-4-3の併殺にとる。スバルは4番5番が強打なので、太田ほどではないが狭い日立市民球場では慎重にいかないといけない。
一方の富士重工の當間一生(日本文理大)は波に乗るとは言い難く、2回先頭に死球、バントで二塁となり、足利の7番・遠藤航(作新学院大)にレフト前に運ばれると、ひとり三振のあとで谷口哲(関東学園大)に一塁横を破られ2-1と序盤で足利が逆転。きょうは日立戦みたいなワンサイドにならずにすむか?
だがスバルは次の回に1死から日置翔兼(立正大)、小川信(日大)が連打で出、犠牲フライですぐに追いつく。ここで再び4番の林を迎えるが、外に逃げる球で三振で切り抜ける。

流れの取り合いになりかけたが、4回表に中田は2死から死球→ボークで二進というもったいない形でランナーを出し、8番・唐谷良磨(桐蔭横浜大) のレフト前ヒットで一気にホームインされる。わずかなスキにつけ込むのはさすが。
太田での予選と逆で、富士重工の応援はそれほど多くない。観光バス4台くらいだったか。球場全体で1500人くらいかなという感じだが、今年は足利の応援がいつもより賑やかなのと試合展開が拮抗しているので、盛り上がりに欠けるということがない。

富士重工の応援団はどこかの大学の借り物だと思うが、やってるテーマがハイパーユニオンだったりするので、人工芝の球場とあいまってここは神宮かと錯覚しそうになる。
足利はブラバンはなく電子音だったけど、ドームでやっていた音楽をやったりと、レパートリーが増えていた。しかしやっぱり八木節が最もこのチームらしいと思う。そういえば、東京ドームでは八木節をやる富士重工はなぜか予選ではやらない。地元の保存会の人達でないとダメなのかもしれない。

応援団が沸く場面はまだまだ続く。4回裏に今度は足利が先頭をヒットで出すと、スバルは當間をあきらめ西嶋一記(明大)にスイッチする。明大時代から久しぶりに見たが、満塁にしてしまい、犠牲フライとタイムリーで足利に再逆転を許してしまう。三塁側の赤い集団はおおいに盛り上がり、僕も興奮してしまった。先制→逆転→再逆転から、またも逆転という展開はなかなか見られない。


しかし6回表に足利は内野の乱れで2、3塁のピンチを迎え、船引俊秀(関西高)にレフトへタイムリーを浴び、思い切った走塁で2点を取られ再逆転を許す。この回で中田は降板。良く投げていたのだが守備が足を引っ張ってしまった。
諦めない足利はその裏1死から連打もスクイズ失敗で2死、ここで富士重工は調子の上がらない西嶋に代えて角田皆斗(専修大)をマウンドに送る。

「うわ、来ちゃったよ」
僕は彼を伊勢原と神宮で見ている。専修大を1部に引き上げたいいピッチャーだ。そして栃木工業高出身の栃木県人でもある。
角田が登板してから足利は反撃の芽を摘まれてしまった。コントロール・キレとも良く、登板してからの打者10人にヒットを許さなかった。
栃木県人ということで、実は密かに全足利に来ないかなと思っていたのだが、2部とはいえ東都リーグの好投手。企業が見逃さなかった。でもよりによって隣町とはねぇ。

投手陣はよく粘ったが、この予選はちょっとエラーが目立ったのが気になった。クラブ選手権はここをなんとかしたい。
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この日の第2試合は日立が鹿嶋を打線で粉砕し、富士重工とともに都市対抗を決めた。なんか悔しいので写真は載せない(笑)
次の日の足利x鹿嶋の試合も見たが、鹿嶋は横山雄哉、石崎剛(ともに阪神)という柱が抜けたのは大きかった。打線も細くて、これでは突破するのはちょっと無理かなという感じがした。世代交代の時期にも重なり、今年は我慢の年だったか。