船橋マリーンズ、発進す@イースタンリーグ 横浜x千葉ロッテ

横浜 8 - 2 千葉ロッテ
5/17 船橋市民球場 観衆2,526人

千葉ロッテ船橋市イースタン主催試合を行う意向がある、というニュースが流れたのは昨年10月のこと。発表された今季日程を見たら4試合という数ではあるものの、千葉遠征といえば袖ヶ浦、柏、成田で1試合づつ、という状況だったロッテにしてみれば力を入れているのがわかる。
この日はその船橋開催の初戦。ちなみに週末開催はこの日だけで、あとの3試合は夏休みの平日。地元の教育委員会を通じて子供達を招待するらしい。

船橋から東武野田線(最近アーバンパークラインとかいう小洒落た名を名乗る)に乗り塚田という駅で降りる。球場が駅と駅の中間にあるため結構歩くのだが道はわかりやすい。
住宅地と畑に囲まれた道を線路沿いに歩く。僕の前後には誰も歩いてない。twitterのタイムラインを見る限り結構混むと踏んだのだが?
しかし踏切を渡ったところから道は渋滞が始まり、球場入口には「満車」の看板。中へ入ると・・

ご覧の人出である。船橋からバスで来る人が多かったのだろうか。
入場30分前に着いた僕はあたりを見回す。出店は5店舗くらいでマリーンズグッズもある。規模でいえばこの間の武蔵ヒートベアーズの開幕戦みたいだがあれより観客は多い。
ちょっと眼をひいたのが千葉県産の豚肉をアピールするお店で、焼肉を一皿100円で売ってくれた。脂身はちょっと多いがうまかった。

入場待ちの行列が長く、スタンド結構埋まるかなと思ったが入って見たら余裕がある。この球場はキャパがあり、着席人数なら横須賀スタジアムよりずっとありそうだ。入場料は1000円と地方開催にしては良心的。
チアのダンスパフォーマンスに船橋の市長さん(松戸さんというらしい)の挨拶。挨拶も手短かで良かった。試合は千葉ロッテ南昌輝、横浜は育成の砂田毅樹が先発して始まった。

1回表に横浜は制球の安定しない南を攻め、2死から山下幸輝の一塁線で先制。2回裏にはフェンス直撃打のハフマンを江村直也が内野安打で還し同点とする。
南の制球は安定せずボール球が多い。3回には千葉県人・松本啓二朗のライト横タイムリーと宮崎敏郎の犠牲フライで追加点。4回にも四球ふたつに暴投で1死満塁となり、犠牲フライで4-1となる。ほぼ8割がマリーンズファンだが、この展開では沸かない。船橋の船出?の日だし、もう少し接戦になってもらわないと。
しかしロッテの攻撃時にはレフト芝生席に陣取るサポーター(応援団、ではなく)がチャントを歌う。この日は幕張で試合がないので、一軍を見ている層が来ていたかもしれない。この前のジャイアンツ球場に来た阪神ファンのように。

そのサポーターの背後をよく見ると、クレーンでネットを吊っているのがわかる。プロの打球に備えたのだろう。この球場は両翼90mと狭いが、ポール際が絞られてるので右左中間は意外と狭くない。
横浜の砂田は時々危なっかしいところはあるけれど、スキがありそうでいてよくピンチをしのぐ。中畑監督が春先に「投げっぷりが良い」と評していたようだが、たしかに強気な投球にも見える。直球ばかりというわけでなく抜いた球も効果的に使う。公式戦でも結構投げているみたいなので、もっと頑張れば支配下もあるかも。

5回からロッテは上野大樹藤岡貴裕東洋大リレーで試合を落ち着かせると、横浜は市立船橋出身の林昌範(出すだろうと思っていた)が出てきてちょっとスタンドを沸かす。横浜が3点リードのまま終盤へ突入。


9回表、ロッテが伊藤義弘を登板させた時だった。
「カーン!」・・あっ!
ストレートがすっぽ抜け、打席の迮岡賢二郎のヘルメットを直撃。そのまま倒れて全く動かなくなった。横浜の選手達が取り囲むがずっと起き上がれないまま。伊藤は自らマウンドを降りて行った。

野球観戦をするようになってから頭部死球を目の前で見たのは初めてだったが、今だにそのシーンがフラッシュバックしてくる。次の投手が腕を振るのを見るのが少し恐くなった。船橋とマリーンズの船出といった試合でこれは痛い。ちょっと球場の空気が変わってしまったように感じた。


伊藤の後を受けて高卒二年目の二木康太が緊急登板したが、この状況は荷が重すぎる。4安打を浴びエラーもあって4失点。これで試合が決まってしまった。
それでも最後にロッテは安定しない東野峻から1点取り、最後は青松敬鎔が粘って球場を沸かせ、球場の空気を少し戻してくれたので良かったが。

入場者は2500人ちょっと。見た感じ3000人以上はいたと思ったのだが。でもスタンドはほぼ埋まり、外野芝生席は左右とも開けて入れていたので、想定通りにはいったのではないかと思う。
さてこの船橋、今後どういう扱いにしていくのかわからないが、横浜2軍における平塚球場みたいな位置づけになれれば良いかなと思う。ちょっと鎌ヶ谷に近すぎるのが難点だが。
<おまけ>

ネット裏を見ると田中英佑(京都大)がビデオ係をやっていた。ユニフォームは着ていないし、体つきも細いのでパッと見で選手だとわかりづらい。スタンドを退出する観客に交じって戻っていったのに、誰も気づいていないようだった。