全足利x松山フェニックス@都市対抗野球二回戦

感動した気持ちと悔しい気持ち、そんなのがないまぜになって複雑な気持ちがずっと続いている。
帰って録画した中継を見ても、テレビでクラブ野球を見られた感激と、ゲームの悔しさを思い出してしまう。そんな一日を自分なりに振り返ってみた。まずは、悔しかった方から。グラウンドの中の話。


松山フェニックス 2 - 1 全足利クラブ
7/22 東京ドーム 観衆約6000人(報道+目測)

僕も緊張しながら始まった試合は、松山が松井佑二(松山大)、全足利が黒沼克誠(明治大)の先発と、僕の予想通りだった。いずれも企業2チームに好投して勝ち上がってきた投手だ。それにしてもドームで全足利のスタメンが読み上げられるのを聞いて胸が熱くなったな・・
1回表、黒沼はゴロ2つに四球、三振と上々の滑り出し。
その裏、松井佑二を初めて見る。右のサイドからの球は思ったほど速くなかったが、常にストライクが先行し、球がよく切れているようだ。1回はいきなり3三振。あとで録画を見たらスプリット、しかも2か月前に覚えたばかりだという。

黒沼は2回表に初ヒットを打たれるが、三振と内野ゴロふたつと持ち味を発揮する。なんとか普段通りの投球ができているようだ。
2回裏に足利は4番・一澤孝一(作新学院大)が松井の球をよく粘り、フルカウントから来た球をセンター前へ弾き返す。バントで二塁に送るも、ライトフライとセンターライナー。高橋悠輔(日本ウェルネス)のセンターライナーはよくとらえただけに残念。
3回も双方とも凡退。試合はこう着状態になったかと思われた。


しかし4回、全足利がまずいプレーで先制を許してしまう。
レフトにライナー気味で上がった微妙な打球を補強の堀越匠(東洋大)が走ってグラブに入れるもこぼしてしまい二塁打
さらに黒沼の落ち気味の球を吉原啓太(日大国際関係)がミットの下にそらす(記録は暴投かもしれないが、見た感じではパスボールだった)。無死三塁。
外野フライならタッチアップの場面。ここで黒沼はレフトに浅いフライを打たす。これならできない。
・・補球したが、こぼした!ランナーはこれを見て生還、1-0。あっけにとられてしまった。これはいけない。
続いてセンター前と四球とランナーをためてしまう。後藤監督、たまらず出てきた。4回表ながら黒沼から庭月野に交代させる。1点失ったが、ランナーがいなくなったのだから、切り替えてもうちょっと粘ってほしかったなあ。

ちょっと出番が早かったけど、庭月野隼(関東学園大)を東京ドームで見られてうれしい。いきなり暴投でランナーを進めてしまうが、続く打者を外角いっぱいの見逃し三振にとり、つづく打者にいい当たりをされるも、ファーストライナーでしのぐ。
4回裏、全足利は吉田情志(仙台大)がセーフティバントを試みるも、一塁ベースカバーがなんと転んでしまい投げられず。これは珍しいシーンだ。こういうところから流れが変わる可能性がある。
・・が、吉田は盗塁を試み失敗。松山の捕手は四国銀行から補強の尾崎健一郎(第一経済大)だったが、送球がドンピシャに決まった。仙台リーグで盗塁王にもなった吉田を刺したシーンは見事。録画ではエンドランて言っていたけど、単独+援護空振りじゃなかったかな。


庭月野は5、6回はヒット1本と四球1つ出すが、あとは内野ゴロが多く、持ち味が良く出ていた。微妙なコースを狙ってストライクを取ってもらえないのが多いが、調子はいつも通り。これで流れを引き寄せられれば。
しかし流れが来ない。6回裏に吉田智和(神奈川工科大)がポテンヒットで出、2死ながら三塁まで行くも三振。
流れが来ないまま、また相手に渡してしまった。
7回表に松山に先頭打者をヒットで出すと、次は四番打者。外の球をひっかけさせてサードにゴロ。完全なゲッツーコース・・・
だが、二塁へ送球エラー!僕はあーっとのけぞって帽子を落とした。どうしたんだいったい。
庭月野、気持ちが切れてしまったのかわからないが、四球で無死満塁。酷だ・・もうちょっと粘ってくれとも思ったが、いや、酷だな・・
ここで庭月野から補強の山井佑太(日大)へたまらずチェンジする。「山井、こんな場面でごめん・・」僕は思わずつぶやいた。

しかし、山井は凄かった。三者連続空振り三振。
鳥肌が立った。ここばかりは本当に補強選手に助けられた。クラブチーム相手とはいえ、あの場面の投球はスカウトの目にも留まったんじゃないかと思う。


8回表も先頭から三振を奪うが、連打を食らってしまう。次が左打者だということで後藤監督がまたも継投。同僚の横山雄哉(山形中央高)をマウンドに送る。
しかし、横山のストレートがやや叩きつけるようになってしまい、またも後ろに逸らしてしまい、2点目。記録は暴投だったようだが、これも半分パスボールだ・・ いつものゲームができない・・
それでも、スタンドには大勢のファンが見ている。何とかしないと!
8回裏、2死ながらも二塁に進め、金田克彦(仙台大)がセンター前に弾き返し、ようやく1点。一塁側スタンドすごい大歓声。これでイケイケになるか?
しかし、松山の捕手尾崎がまたも盗塁を刺して流れを止める。この盗塁阻止2つは見事だった。

9回、横山が3三振と圧巻の投球を見せるも、その裏は松井が3つのフライにしとめ、ゲームセット。
クラブチーム同士の対戦だったが、残念ながら対照的な戦いぶりになってしまった。なんかこう、北関東予選で企業が普段のゲームができなかったのを、全足利が再現してしまったような気がする。僕だけだろうか。
*************
詳細はまた書くが、ドームには普段では考えられないくらいの応援団がやってきており、普段と全く違った雰囲気だった。でもそんな中で普段通りのゲームができた松山と松井祐二は見事だったと言うしかない。
「選手をほめてやってください!もういつ死んでもいい!」という千原監督の言葉は心に沁みましたね。


これがクラブ選手権だったら、「また来年か・・」になるのだけれど、幸いそのクラブ選手権が1か月半後に控えている。そういう意味では、都市対抗に出られたのは本当に良かった。
次こそナイスゲームをしましょう。