サポーターと機動隊のたたかい@クラブ選手権東京予選

TOKYO METS 15 - 6 警視庁
5/18 府中市民球場 観衆約100人(目測)


球場に近づくと、野球場ではあまり聞きなれない応援が聞こえてきた。横須賀の横浜2軍の応援とも違うしBCリーグの本拠地とも違う。六大学や都市対抗のそれとも全く違う。この声の出し方は、Jリーグのサポーターのそれに近いものだ。
クラブ選手権の東京予選でこの組み合わせが決まったのを知って、ぜひ行ってみたいと思ってた。ロッテのサポーターだった人達が作り上げたというクラブチームと、警視庁の野球部の公式戦。同じクラブチームという括りの中でもかなり質の異なるチーム同士の対戦、スタンドも含めてどんな雰囲気になるんだろうかと興味を持った僕は、神宮の早明戦を捨ててこっちに来た。
スタンドに入った僕は、ちょっと拍子抜けした。あれ、思ったより少ない?この日は日曜日の朝9時試合開始。さすがに来るには早い時間帯か。そんな時間に見に来ているお前は何だと言われそうだけど。

おおっ、社会人のクラブチーム同士の試合でこんなバナーが見られるとは。西武ドームのクラブ選手権でもまず見られない光景(クラブチームの応援だと、たいていは「ノボリ」だ)である。
彼らの応援に楽器は無い。いやひょっとしたら球場の規制のせいかもしれないが、とにかく楽器は持たず「身体」が楽器になっている。声、手拍子、口笛。僕は感心した。口笛って、あんなに響くものなんだ。
特にどちらに肩入れするでもなく見ていたが、メモをとっている時など知らず知らずのうちに彼らの手拍子に体が動いてしまう。あの速めのリズムはなかなか絶妙なところを突いている。

肝心の試合のほうは、序盤は警視庁が攻勢をかけた。METSが先制をするもその裏、先頭からヒット、バント、四球、そして四番の松永太輔(立正大、経歴をちゃんと知ってたのはこの選手だけ)が左中間を真っ二つに割るタイムリーで逆転。さらにタイムリーで3-1。
2回にもヒット、スクイズで5-1とする。この間、METSは牽制死や走塁死があったり、守りでエラーがあるなど、細かいミスが相次いだ。「内野もっと声出してー!」と声が飛ぶも、スタンドに比べてグラウンド内に元気がない。

警視庁は去年とユニフォームが変わっていて、左右非対称のデザインになっていた。・・正直な感想を言うと、去年のほうが良かった気がする。「警視庁」と漢字が小さく入っていたり、ピーポくんのイラストが入っていたりして、わかりやすかったのだが、今度のはなんだか普通になってしまった。

変わったといえば府中市民球場の外野フェンスに広告が入ったのも去年までと変わった点である。外野の芝も以前はひどかったが、だいぶマシになったかな。


METSは3回から投手を代えたところで流れが変わり、こう着状態に。6回表、2死からタイムリーで1点差に迫ると、ポテンヒットで同点となった。ここまで警視庁の先発・照屋は球数が多く、僕は7回から代わるだろうと思っていた。
しかし交代はなく、続投させたことで完全に流れが変わり、3連打で逆転。ここでようやく警視庁は投手を代えたが流れが切れず、この回打者一巡の猛攻で10-5と完全にひっくり返った。
終盤にかけてもMETSは本当によく打った。大きいのを狙っている感じはせず、コンパクトなスイングで粘り、あくまで基本のセンター返しを心掛けている印象を持った。
警視庁のほうは、ピッチング練習があまりできてないのかもしれない。9回まで計19被安打はちょっと打たれすぎ。西の県警桃太郎に比べて活躍が目立ってない(ちなみにあっちはHPもある)ので、もうちょっと何とかしないといけない。

METSは翌日の準決勝、決勝とも勝ち、なんと東京都予選で初優勝してしまった。ただ都市対抗のほうは予選で敗退が決まっており、企業チームとの対戦は来季に持越しとなっている。
社会人野球の応援というと、ブラスバンドとチアガールという昔ながらのスタイルがほとんど(しかも外注)で、いくら新しい楽曲を入れたといっても基本的なかたちは変わらず、言い方は悪いが旧態依然な感じがする。
もし彼らが都市対抗予選で企業チームと当たれば、まったくスタイルの違う応援団同士がスタンドで相対することになり、とても興味深い。もし実現したらきっと見に行くと思う。


あ、でも企業ってクラブ相手だと応援団出してこないんだよな・・