今年最も重要な野球ニュースとは

2013年も年の瀬を迎えた。
NPBでは楽天がとうとう日本一になり、田中将大の最後の1球に唸った。MLBでは上原の活躍が見れた。都市対抗エネオスが51大会ぶりの連覇と強さを見せつけ、日本選手権では広域複合企業チームが初の日本一に輝いた。かたやクラブ選手権では関東勢がすべて8強で姿を消すなど西高東低が顕著になり、独立リーグからは史上最高のドラフト2位指名が出た。大学では関甲新リーグが初めて日本一になった。
今年も野球ニュースがスポーツ紙やネットをたくさん飾った。スポーツは数々あれど、スポーツニュースにおいては今年も野球ネタが一番多かった。


でも僕にとって、今年最も気になったニュースはこれだった。
http://mainichi.jp/sports/news/20130621k0000m050118000c.html
高校野球の指導者を対象に高野連が調査したアンケート。サッカーやバスケが野球を人気で上回る可能性があるor上回っていると回答した高校が全体の4割を超えている。
メディアでも少し取り上げられたが、さほど大きな話題にならずに流されてしまった感がある。それよりもNPBの例の統一球問題のほうがはるかに大きく取り上げられた。
でもこのニュースは、これから野球界にボディーブローのようにジワジワ効いてくるような影響がある。なにしろ現場の実感がベースなのが気になる。野球関係者はもちろん、僕ら野球ファンも覚えておいたほうが良いと思う。


ただこの記事にある「五輪競技から外されたのが大きい」という見方は?と思う。サッカーもバスケもその人気は五輪とは関係ないし、いまは野球にはWBCというコンテンツがある。
海外で活躍する選手が多いというのはサッカーには当てはまるだろう。とはいえ、毎年コンスタントにMLBに移籍する野球選手はいる。もっとも移籍する選手も相手国の数もサッカーのほうがバラエティに富んでるが。


野球は用具に金がかかる、という原因はあるかもしれない。この不景気で親の賃金もなかなか増えないなか、費用面で野球よりサッカー等他のスポーツを選んでしまうことは実際にあるだろう。
でもやっぱり僕が強く言いたいのが、「そのスポーツを見る機会が地域にどれだけあるか」ということだ。いまさら言うまでもない事実だが、NPBが12球団なのに対し、JリーグはJ1J2合わせて40チーム。これに来季はJ3が最低でも10加わる。それに加えてアマチュアJFLもある。試合数ならNPBは年間140以上あるが、見られる都市が限られる。
独立リーグが10球団あって苦戦しつつも頑張っているが、社会人は相変わらずで、「野球でつなぐ地域との懸け橋」とのスローガンはJリーグのほうに実現されてしまっている。


NPB一軍と甲子園だけを見ていても野球は見えてこない、その間をつなぐ野球をもっと見よう、もっと見てもらおう、という思いでつらつらひとりごとを書きつづけてきたが、来年も時間が許すかぎり試合を見に行って、つらつら書きたい。