善戦だけじゃ・・・@六大学秋季 慶大 x 東大

慶大 1 - 0 東大
10/6 明治神宮野球場 観衆6,000人


8月に東大と巨人の練習試合を見にいったが、そのときに秋は東大を見てみようと決めていた。6日の慶応戦はその観戦2回目。(実は早大との試合も見にいったが忙しくて書き損ねた)
5日は雨で順延となったので6日が1戦目となり、東大の先発はエースの辰亥由崇ではなく、同じ2年の白砂謙介(修道高)。前回の早大戦で頭部に死球を食らったのを見たので心配したが無事に出てきた。慶応の選手はほとんど知らず、しいて言えば日大三高の横尾俊建くらい。母校以外の大学野球をいかに見てないかバレる。
それに比べ、東大の選手はテレビとか巨人戦とかで何人か名前を覚えてしまった・・
で、東大の先発・白砂は前回の巨人戦でもコントロールに苦労していたが、この日も初回から四球、ヒットとランナーをためる。しかしクリーンアップを連続でフライに打ち取る。

慶応の先発は加藤拓也(慶応高)という1年生。初回に東大の西木拓己(医学部だそうな)に見事なバントヒットを決められ、さらに4番の笠原琢志(甲陽学院高)にライトにクリーンヒットを浴びたりするが、無失点。
試合が最初に動いたのは3回。慶応の谷田が左中間にはじき返し、続いて横尾がセンター前にタイムリーを放ち1点先制する。カウント3ボールからストライクを取りにきたかなという球だった。しかし白砂は続いて得点を許さず1点どまりにする。
白砂はボールが多くなってしまいがち。この試合結局8四球を出すのだが、肝心なところでは荒れることがないように見えたので、慶応の打者からしたら球が絞れないような感じがした。ただ、球を低めに集めようとしているなとは感じられ、低めにきた球は外野フライにしかならないことが多かったと思う。
それから、桑田が言っていた「アウトローにしっかり投げる」という課題も、それ一辺倒のリードではなかったと思う。あれだけテレビで話題になれば相手もそのつもりで来るだろうし。

この試合、東大は惜しいチャンスが2回あった。4回(だったと思う)東大は阿加多優樹(学芸大附属)のレフト前で2塁からランナーが本塁へ突っ込むが、返球よく本塁でアウト。返球も良かったのだが、突っ込むには打球が浅すぎた。前回の巨人戦でも見られたケース。
もうひとつは6回。先頭を死球で出し、バントとヒットで1死1,3塁としたところで、1塁ランナーが盗塁。ディレイドで3塁ランナーを出させたがこれが失敗し挟殺プレーとなってしまった。もったいない。少ないチャンスで勝とうと思ったらこういうのはなくさないときつい。
慶応は6回からドラフト候補の白村明弘(慶応高)を出してきた。荒れることもあるけれど、ドラフト候補と言われるだけあって、雰囲気に「凄み」があるのは確か。
ドラフト候補を相手にしても、白砂と、代わった出田興史(早大本庄)が良かったのでベンチの雰囲気が明るい。スタンドも盛り上がっている。ちなみにこの出田という投手、なんでも早稲田にいったん入ったのだが野球がどうしてもやりたくて、受験勉強して東大に入りなおしたのだとか。
東大は慶応をゲッツーに取る場面が多く(残塁はたしか14)、雰囲気的には東大の「勝てる試合」だったのだが、白村を打てなかった。結果は1-0。惜しい試合だった。
惜しかったのだが、やっぱり「惜しい」どまりであり、連敗記録は伸びてしまった。
現在のメンバーには「勝った記憶」のある選手がほとんどおらず、よって勝ち方のようなものがわからないのかもしれない。投手力はたしかに上がっていると思ったが、はて・・どうしたらいいのかと考えながら球場を後にした。

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翌日の2試合目、東大は慶応の加嶋という2年生にノーヒッターを食らってしまった。
毎日新聞によると
「投球の軸のスライダーを外角低めへ滑らせ、直球も130キロ台だがコーナーに決めてタイミングを狂わせた。ほとんどが内野ゴロと三振で『直球にこだわらない』と話す軟投派の真骨頂だった。」とある。
これこそ、東大の投手陣が目指すところじゃなかろうか。ぜひお手本にしてほしいと思った。