八ヶ岳を望む野球場@BCリーグ 群馬x信濃

群馬 4 - 1 信濃
6/23 茅野市営野球場 観衆636人


6月も中旬を過ぎて、やっと行けた独立リーグ。でも、もたもたしているうちに何と新潟が前期優勝を決めてしまった!監督が代わっても強いな。
社会人やら何やら見ていて行けなかったが、BCリーグのやっている地域が、まだ登山シーズンじゃなかったせいでもある。群馬とか長野とか、こういう地域だと5月はまだ雪が残ってたり、花も咲いてなかったりするので、足が向かなかった。
「新規開拓」をテーマに決めた今年は、長野県の茅野市で見ることにした。茅野といえば八ヶ岳の玄関口でもあるが、この日は時間もあまりないので(試合開始は13時)霧が峰を短く歩いてから、麓に下りて球場に向かった。ちなみに霧が峰ツツジが満開である。

茅野駅の手前でバスを降り、20分くらいかかって茅野市運動公園に入る。球場は丘を上がったところにあり、かなり近づいてようやく歓声が聞こえてきた。
球場外には屋台が3つくらい。そこでインド風の変わったコロッケと、ナンみたいな生地にキャベツなんかをくるんだロール(名前は忘れた)を買い中へ。入場料1000円と、バックネット裏500円を払う。
球場に入ったとたん、レフト後方の景色に目を見張った。八ヶ岳が目の前じゃないか!八ヶ岳の玄関口だが、こんなに見事にスタンドから見えるとは思わなかった。野球場から山脈が見えるなんて、たぶん人生初めての経験だ。僕の知るかぎり山が見える野球場というと富山のアルペンスタジアムしか知らない(行ったことはない)。

お客はよく入っている。ほとんどが信濃のサポーターで、群馬のサポーターは三塁側に10人くらいいたかという程度。特にその中の熱心な3人は群馬の応援をしていたが、その応援の仕方が横須賀でいつも見ている横浜の応援スタイルとまったく同じだった。
客層は老若男女、あらゆる層がいて、偏っていないように見えた。印象的だったのは、スタッフの数が多いこと。あれはボランティアスタッフなんだろうか。

スタンドに入ったのは2回の表だったが、信濃の先発に甲斐拓哉(東海大三オリックス)が出ている。見るのは初めてだが、たしかドラフト1位だったようなと思いつつどこだか思い出せなかった(2008年オリックス1位)。券と一緒にメンバー表ももらったのだが、経歴が書いてない。
甲斐はストレートも結構速いし、ワンバウンドも多いがフォークと見られる球が鋭い。なんでも怪我が多かったようだが、それよりも長野県松本市生まれというのは知らなかった。
しかし4回表、群馬に復帰していた「怪人」カラバイヨ(これも元オリックス)に甘い直球を右中間に放り込まれ1-0とされる。以前見たときと変わらず、打つ雰囲気はプンプンする。

拙攻が続いていた信濃、6回裏に2つの四球を選ぶなど流れが来ていたというのに、バントが捕手の真正面→三塁→一塁の併殺という、学生でもなかなか見られない拙攻を見せ、スタンドから「バカタレ」というヤジを飛ばされる。流れが切れたかと思われたが、新村涼賢(長野日大)が甘いカーブを右中間に放ち同点とする。
6回表に信濃は甲斐からポリンという左のスリークォーターにチェンジ。腕が長い。カラバイヨの対戦のときなどアメリカの独立リーグを見てるみたいな感じ。こういう対戦は社会人にはない、独立リーグならではのものだ。
群馬は8回にはポリンから粘ってタイムリーを放ち、さらに代わった杉山慎(全足利)から連打で3点目を奪う。杉山は143kを出すなど球はそれなりに走っていたが、直球を群馬打線に狙われ9回にも1点失う。彼が直球を打たれるところを見るのはちょっと寂しかった。
信濃はサポーターは圧倒的だが、試合内容は拙攻が続き1点どまりに終わる。信濃は甲斐に加え、大平成一(日ハム)渡辺正人千葉ロッテ辻竜太郎楽天)と元NPB組に頼っているのが気になる。

球場アナウンスで、観衆が636人と聞きアレっ?と思った。僕がぱっと見たところ1000人はいかないにしても800か900はいるかなと思ったからだ。スタンドが小さくて密度が高いからそう見えたんだろうが、あの数字は明らかに実数発表だと思う。BCリーグは以前より数字が悪くなっているなぁと思っていたのだが、ひょっとしたらより実態に近い数字を発表(年間パスの人数をカウントしないとか)するようになったのかもしれない。

そして最後の写真は、6年ぶりに復活を目指す大塚晶文投手。この日は登板がなかったが、試合後はサインの行列ができていた。あの第一回WBCの胴上げ投手が、この地方の小球場でサインをしている。実に不思議な光景だった。