明治神宮大会 その2


ちょっと前に、大学野球で解散があるかもしれないっていうのを書いた。
首都大学リーグの創造学園大学。あれは、大学自体の運営が行き詰っていて、文科省から解散命令が出されそうという話だった。
しかしこの日見た3試合目は、実際に解散が決まっている大学の試合だった。東海・北陸代表の三重中京大学。ここは、来年春で閉校が決まっているため、現在の部員は全員が4年生で、今大会が最後の試合だ。
それとこの大学のエース・則本昴大が楽天のドラフト2位に指名された。その選手を見に行くのも目的だった。

三重中京大の相手は、京都学園大学。関西のどのリーグに属しているのかわからなかった(注:京滋大学連盟)。どちらの大学も知っている選手はほとんどいない。


そのドラフト2位の則本、初球いきなり148kmを放り込む。その後も常時140km台後半が多く、半分以上の投球がストレートだったと思う。投げっぷりがいい感じだ。2回に同点に追いつかれたときは150を超えた。
ただストレート主体で力で押すので、打たせて取るというスタイルではなく、どうも内野手を使えていない感じがする。4回にはエラーがらみで2-1とリードを許す。
スタンドは、高校の部のほうが観客は多かった。一塁側の京都学園大には応援の学生だけでなく部員もいたが、三塁側の三重中京大には部員はいない。部員全員がベンチ入りしているんだろう。
負けたら、その時点で部が解散する。そんな中で試合をする選手の気持ちはどんな感じだろうか。卒業しても母校がない。野球部の後輩がいない。僕は「母校が無くなる」という経験をしたことがないからわからない。でも、卒業してからも母校の成績を見ると、やはり気になってしまうだろうと思う。それができなくなるのは、実に切ない。

5回裏、四球が続いて三重中京大が満塁のチャンスを得、ここからヒットで同点、さらにエラーがからんで4−2と逆転に成功する。しかし、京都学園大は粘り6回表に1点、さらに8回にエラーで1点返し4−4の同点となる。
とここまで来て、僕は所用のため球場を出ることになってしまった。試合はその後三重中京大が再び突き放して6-4で勝った。
出たのは午後4時ごろだったが、寒い。もう季節はお隣の秩父宮ラグビー場の活躍する季節になった。