BCリーグ 福井x信濃@伊那

福井 6 - 1 信濃
8/25 県営伊那運動公園野球場 観衆411人


いま手元にBCリーグの選手名鑑がある。開幕から4ケ月も経つのにようやく手に入れたのだ。8月下旬に山登りをしようと出かけ、ついでにBCリーグを見に行った。場所は長野県のスタジアムでも南のほう、伊那市。ここらは中央アルプス南アルプスの玄関口でもある。
今回は電車で出かけたので、飯田線伊那北駅で降りる。駅前に地図がない。ちょっと迷った末、線路を渡った道をまっすぐ進んでいけば看板が出ていることに気がついた。この球場は地方球場じゃ珍しく駅から歩いていける。

試合開始は13時。でも駅に着いたのはその15分過ぎだったので、最初から開始には間に合わなかった。球場近くになると坂道になり、汗が噴き出る。入り口でチケットと飲み物を買い中へ。ちなみに、信濃のゲームはバックネット裏は1000円も高い。
試合は既に2回表を終了。信濃の先発は、杉山慎(日大国際関係‐全足利)。長野で見て以来2回目だ。前回はバックネット裏で見られなかったので、今日はしっかり見られる。
対戦相手は福井。これでようやくBCLの全球団を見ることができた。福井の先発は森本将太(福井高)。
2回はともに0点。3回表に杉山はランナーを出し、1ボール2ストライクから投げた決め球は甘かったか、まともに行き過ぎてタイムリーになる。1-0。

4回表、1死2塁から初球を叩かれタイムリー。さらに2死から再びセンター前に運ばれ福井が3-0とする。見ていると、球にキレがないのかなという気がする。杉山は前回の登板が日曜日で、8回まで投げていた。それから中5日とちょっと短くなっていたので、疲れが残っていたかな。夏だし。
ただ、長野の登板のときに気になったテンポの悪さはそれほど目につかなかった。
福井の森本のほうはリズムも良く、落ちる球が有効で信濃につけいる隙を与えていなかった。
この球場は古い球場と思うのだけど、バックスクリーン脇に小さなスピード表示があり、森本は144kと出ていた。だが、このスピード表示が物凄く遅くて、投球が終わり、一呼吸置いてから表示が点滅、数字がひとつずつ出てくるというアナクロな代物。こんなスピード表示は初めてみた。

信濃は四球やヒットでランナーが出ても、いつも2死からで、それでずっと凡退。この日のスタンドは暑いせいもあってそんなにお客がいなかったが、ちょっと盛り上がらない試合展開だ。
それでもスタンドで見ていて、「やっぱり木のバットはイイねえ」という声が聞こえる。これである。木製バットの音=「大人の硬式野球が見られる」 これは独立リーグの意義のひとつだ。この伊那市の球場にNPBの2軍が来たことがあるか不明だが、独立リーグがなかったら木のバットの音はそうそう聞けなかったに違いない。


途中外野スタンドに行く。ここの外野芝は傾斜が大変急で、まるで大宮公園のライトスタンドのよう。おまけに、外野フェンスが低くて、スタンドの芝との段差は10cmくらいしかない。だから、試合終盤にどこかのチビ君たちが急傾斜の芝生を滑って遊んでいるのを見ていると、そのままグラウンドに落ちやしないかと思ってしまった。

信濃の杉山は6回を投げて3失点でマウンドを降りた。前回が8回無失点だったのでこの日は波に乗れなくて残念。また今年は見る機会はあるだろうか。
ただ、7回から登板した和田有斗(東京国際大)は1死も取れず降板、代わった飯田達也(大正大)が押し出し四球を与えるも何とか1点で抑える。4-0。8回にも送球ミスで5-0。新潟が遠くなっていく・・・
8回裏、ここまで安定していた福井の守備が突然崩れ、1死1、3塁としたあと、森本の球をパスボール。ようやく信濃は1点を返した。
だが反撃はここでおしまい。6-1で福井が勝利を収めた。個人的には福井は藤井宏海(元ロッテ)が見たかったが、この森本という投手は覚えておきたい。


試合後、信濃の選手がファンの見送りに出ていて、あるファンと「今日は(中野に)帰るの?」「帰るよ。これからバスで」という会話をしている。翌日は、この伊那市よりやや南の飯田での試合だ。それでもいったん長野市内からさらに東の中野市へ帰るらしい。同じ長野県でも中野市飯田市はかなり距離がある。独立Lの移動は大変だ。