東京六大学野球 早稲田大 x 明治大

早稲田大 3 - 2 明治大
5/20 明治神宮野球場 観衆14,000人


6試合、27回1/3、打者104人に対し被安打15、29奪三振、4勝0敗、防御率1.65。
これは斎藤佑樹早大1年生時の春季リーグ戦成績だ。

で、左の写真。この日の試合前に見た現時点でのリーグ戦投手成績。早稲田の吉永健太朗(日大三)は3試合に投げてすでに22イニング、自責点はまだ1点。すごいな。
ともに前の年の甲子園優勝投手で、早稲田で1年から先発ローテに入り、毎週日曜に投げる。背番号は16。斎藤と吉永は共通点が多い。
違うとすれば追っかけの女性ファンの数だろうか。この日の神宮で僕は内野指定席のわりと前の方に座ったが、ネット裏最前列に陣取っていたおば様方は特に見られなかったし、吉永が試合前ブルペンで投げていてもそんなにカメラを持って寄ってくるひともいなかったと思う。 しかし、先発オーダーで彼の名が読みあげられると拍手が起きた。他の選手のときは静かだったのに、やっぱり名は知られている。初めて見る選手だ。僕は楽しみにしつつ我慢して嫌いな指定席にした。
「しなやかだなぁ」素人の僕が見て思ったフォーム。腕がよくしなって、遅れて出てくるような感じに見えた。球速は、全然出てない。神宮のスピードガンが昨年秋から抑えて表示されるようになったらしいが、それでも140台は数球で、ほとんどのストレートは130前半〜なかばだった。たぶん斎藤より下回るだろう。
それでも彼はよく抑えていった。初回こそランナーを出したが、2回以降、僕のメモにはほとんど書くことがなかった。「明治、打たされてばかり」「三振は見逃し」など・・
2回、早稲田は主砲の杉山翔大(東総工業)。つまってレフトフライを打ち上げたなと僕もまわりも思っていたら、打球は伸びてレフトスタンド最前列へ。見たら風がホームから外野へ吹いていた。
さらに1死1塁から吉永が明治の前進守備の間をついて甘い球を右中間に運ぶ。けっこう余裕を持って三塁まで到達したので、足は思ったより速いみたいだ。続いて東條航(桐光学園)がレフトオーバー。これで3-0とリード。
・・しかし、早稲田はこれ以降ランナーを出すも続かない。継投されたせいもあるのか、中押しがまったくできなかった。
明治は6回までろくに打てない。後で調べたら吉永はシンカーが決め球らしいけれど、僕のいた場所からは球種はよくわからず、なぜ明治の打者が打ち上げてばかりいるのかスタンドではわからなかった。
7回、吉永が四球でランナーを出す。その後ツキのない一塁強襲ヒットで無死1、3塁とする。ここから2人続けて打者を泳がせて内野フライにしとめる。これは完投もいけるかなとこの時思っていた。
しかし明治はストレートに的を絞っていたようで、甘い球を運ばれ二人いっきに帰ってくる。これで3-2。だがこの後明治のまずい走塁で流れが切れてくれた。吉永はこの回途中で降板。有原航平(広陵)に後を託す。
8回、明治はレフトを守っていた岡大海倉敷商)をマウンドに上げる。これがけっこう速い。ほとんどストレートだが150kmを出す。野手兼任でこの球はすごいな〜と関心した。
9回、その先頭の岡が大飛球を放ち2塁でガッツポーズを見せる。さらに1死3塁になり、明治スタンドは大盛り上がり。僕も2試合連続の引き分けが頭をよぎったが、有原の今日はすごかった。
続く山崎福也(日大三)をストレートで押しまくり、空振り三振。さらに代打相手にもひたすら直球を投げ込む。「もう、このままストレートで押していけ」と僕が思った通りに投げ、二者連続三振で試合終了。久々にしびれた。スタンドも大歓声だった。 吉永が斎藤とすれば、この有原は役目的には大石達也(西武)になりつつある。


試合終了は4時半で、この後交流戦のヤクルトxオリックス戦が6時から控えており、外はすごい混雑。でも、斎藤がいたときのように選手バスを横付けすることはせず、選手は皆歩いてバスに乗り込んだ。そんな中、放送解説で訪れていた小宮山悟氏(早稲田OB)がスーツ姿にカバンといういでたちで出てきて、そのまま人込みの中を歩いていった。まわりは誰も気にとめてなかったようだ。