東京六大学野球 早稲田大 x 東大

早稲田大 13 - 0 東大
4/21 明治神宮野球場 観衆6,000人

明治、法政、立教、慶応。僕が六大学野球で見に行った早稲田戦の相手はこの4校。だいたい春秋に1試合か2試合ずつくらい見に行くが、相手はばらけている。早慶戦は混むのであまり行かないけど。
そして、東大戦はこれまで一度も行ったことがなかった。行ったのは、この21日の試合が初めて。他に面白そうな野球もないし、こういうときでないといつまでも足が向かないかなと思ったからだ。なんか、すごく消極的な理由だった。
それでも、今年の東大のエースはなかなか期待できそうだとネットで目にしたし、東大の野球部はどんなものか一度見なきゃと思って神宮にたどり着いた。

僕はいつもメモを持ってスタンドに座り、試合展開を軽くメモりながら観るのだけれど、この日、僕はほとんど書かなかった。メモをする気になれない。なんだか現実をまざまざと見せられた気がして。


両校の選手達を見て一目で気がついた「体つきが違う」。それはたぶん、子供のころから今まで、野球に費やしてきた時間の差に比例する。オーロラビジョンに映される、ベンチ入りメンバーの出身高校。東大のメンバー表には、他校でずらりと並ぶ甲子園の常連校が全くない。そのかわり、麻布高校や日比谷高校といった名門校や、全く名を知らない地方の高校が並ぶ。たぶんそれらの高校も、地元ではかなりの進学校なんだろうと思う。

僕はこの試合のベンチ入りをした東大の選手達を尊敬する。見ていて危なかっしいプレーも多いし、投球は130kmに届かなかったりするが、確かに硬式野球をプレーしている。硬式野球は草野球と同じ心づもりでは出来まい。しかもいずれも一般入試で東大に入った選手達である。これは掛け値なしに凄いことだと思うのだ。
凄いことなのだけれど、現実は上記のスコアの通り。少しでも光るプレー、選手がいればなぁと思ったけれど、この試合に限ってなのかわからないが、いいところはほとんどなかった。都市対抗一次予選の企業対クラブチームの対戦を見ているような気がしてきたが、あっちは5回コールドゲームもあり得る。しかし六大学にコールドゲームはない。


大学スポーツの世界では、極端に力の差がある試合は他のスポーツにあまりない。入れ替え制のあるリーグ戦が多いし、他にも箱根駅伝の場合は予選会という厳しい壁を越えなければならない。ラグビーの対抗戦グループがかつては定期戦で大差の試合を見せていたが、それもいつからか2部制になった。
だから、この六大学野球(の東大戦)を見ると、大学スポーツの現実を見せつけられる。そして「おまえはこれをどう思うんだ?」ときつい問いかけをされている気になった。 僕は簡単に答えられそうにない。