謎の「非」公式戦、あきる野市長杯


以前JABAのクラブチームのページをちらほら見ていた時に、スケジュール表に「あきる野市長杯」と書いてあるのを見かけた。その時は「そんな大会あったかな」と流していたのだが、ある日JABAの日程表を見ると、どこにもそんな大会は載っていない。はて・・
あきる野市長杯、でググってみると、クラブチーム同士の交流戦だが、公式戦でないという。公式戦でないのにカップの名前が入っているとは?? 偶然、こちら方面に全く別の用事で向かう機会があったので、時間もあまりないが行ってみることにした。

地方の田園風景と都会の住宅地が入り混じったようなあきる野市、その森の中の運動公園に球場がある。夏だけ営業してるプールとか、芝生広場みたいなものもある。車を停め球場へ向かうとユニフォーム姿の選手がウォームアップをしたりしている。球場には大会を示す看板やらノボリの類がまったくない。大会でよく見かけるトーナメントの大きな表もない。知らない人が見ると、何の試合か全くわからない。
試合中に内野スタンドへ入ると、グレーと紺の見慣れたユニフォーム。あれ?横浜金港?すごい偶然だ。ほんの短い間立ち寄っただけなのに見られるとは。
ネットであちこち見たが今年の「大会」にどのチームが出ているのかわからなかった。金港のほかは地元の西多摩倶楽部が出ているのがわかったくらい。スコアボードを見ると対戦相手が「武蔵」とある。僕の記憶にないチームだ。
だが女性の声で場内アナウンスがきちんとあり、「武蔵野クラブ」というチームであることがわかった。

球場自体はとても質素なもので、球場正面には名前もなく、スタンドは低いうえに長椅子のみで500人くらいの収容。外野は芝生で気持ちよさそう。スコアボードもまた簡素で、チーム名と得点、SBO表示くらいしかない。バックネットは「金網」で、支柱も太いのでものすごく見づらい。
そして何よりこの球場、外野にバックスクリーンがない。その箇所には木が生い茂っておりそれがバックスクリーンの代わりになっている。
総じて、NPBのファームの有料試合には厳しいかなという印象。社会人の大会ならちょうどよさそうだ。クラブチームの西多摩倶楽部の練習場にもなっているらしい。このクラブは全府中と並んで一時東京都でも上位に来ていた(最近は他チームに追い上げられているようだが)。
僕は試合の中盤以降に着いたのだが、金港が7-4で武蔵野クラブを下した。最後まで見るつもりはなかったのだが、結局見てしまった。観客は10人ちょっと。
JABAのクラブ選手権予選あたりとあまり雰囲気が変わらない。審判が3人だったのと、さっき書いたようにトーナメント表等がないのが違うくらい。これが僕が初めて見た「非公式戦」だった。

「公式戦」とはJABAやその傘下の県野球連盟が主催している試合であり、それ以外はすべて「非公式戦」扱いになる。こういった試合は情報が非常に限られており、存在自体が知られてないことも多い。
だが例えば九州ではクラブチームのみで独自にリーグ戦をやっている例があるし、欽ちゃんはスポンサーを募って関東の数チームを誘い「欽ちゃんリーグ」を行ったが、これもJABAの予定表には載ってない。
そもそもクラブチームは週末にオープン戦をたくさんこなしている。そのうち関東でも、JABAとは無関係に「BCリーグみたいにウチらもやってみようか」という動きが出てくるんじゃないだろうか。


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