酷暑北関東野球紀行(2) BCリーグ 富山 x 群馬

富山 4 - 5 群馬
藤岡市民球場 観衆815人

足利で全足利と白鴎大の試合を観戦したあと、車で市街を抜けて渡良瀬川を渡り、カーナビにしたがって群馬県藤岡市へ向かった。距離は30キロ以上はあり、平日なので道は空いていたが思ったより時間がかかる。
球場へ行く前にこの日の宿泊地・ホテルルートイン藤岡に寄りチェックインを済ます。ルートイングループはBCリーグの公式スポンサーになっており、泊まると一人一枚BCリーグのチケット引換券をくれるのだ。泊まった翌日または当日まで有効で、当日の試合を見る時は試合前にホテルに寄って券をもらう必要がある。
ホテルから藤岡球場までは車で20分くらい。昨年秋にも来たのだが、行く途中はとにかく田んぼと畑が広がっており、本当にここでナイターが開かれるのか?と不安になった記憶がある。ほんとうにまわりに何もない、郊外の運動公園といったところだ。

球場に着くと駐車場に誘導してくれる。けっこう車は来ている。球場入口前はチケット売り場と4つほどの屋台があり、グッズ類の屋台と、焼きそば・飲み物の屋台、あとはローソンも屋台も出していた。僕はノンアルコールビールとおにぎりで夕食とする。
試合15分前に入るとスタンドは5割くらいの入り。ライト外野芝生に群馬の応援団が20人ほど。お客は老若男女わりとまんべんなく入っており、社会人の地方予選とかにありがちな、男性のお年寄りばっかりということでもない。それと、NPBのファームの試合でよく見られるように、少年野球チームが団体で来てもいた。

レフト側には富山のサポーターもわずかに来ており、キャップを被ったおば様方や大きな応援旗を振っている人の姿も。駐車場には富山ナンバーの車がいたので、わざわざアウェーに応援に来たのだろう。昨年の独立リーグチャンピオンシップには高知からはるばる来ていた人もいたし、こういう地域に根ざしたプロスポーツの持つ力に驚かされる。
試合は群馬が大木、富山が西崎の先発。といっても、両チームの選手に関して知識はほとんどない。どちらかに肩入れすることもなく試合を見ていくことにする。
スタンドで見ていて、独特の臭気があるのに気づく。堆肥の匂いがかすかにするようだ。球場のまわりすぐには畑はないのだが、どこからか漂ってくる。まさに「畑の中のナイター」だ。ナイターとは都会のど真ん中で会社帰りの人達が数万人ひしめくゲーム、というイメージはここでは全く当てはまらない。

独特の雰囲気をもっと味わうべく、スタンドからライト側芝生へ。そこはブルペンが目の前にあり、救援陣が肩を作っていた。彼らの会話を聞いていてもなかなか面白い。
しかし群馬先発・大木が中盤以降富山に連打を食らい、にわかにブルペンの動きが忙しくなる。登板順をめぐってちょっと混乱してたみたいだが、韓国出身の右のアンダーハンド・金正桓が出て後続を絶つ。
ブルペンではベネズエラ出身の新外国人、ザラテがピッチングを開始。すると少年野球チームの子供達が集まってきて、後方からザラテのピッチングを見ている。ジャイアンツ球場で試合を見た際、オビスポが登板して少年達が大騒ぎしていたのを思い出した。
もっとも、8回に登板したザラテは剛腕オビスポと違い、左のサイドスローから変化球で勝負するタイプだった。
試合は群馬が5-4と1点差で逃げ切り。カラバイヨオリックスへ去り、この日は大砲・井野口もスタメンから外れていて迫力は若干欠けていたが、継投が決まっていた。グラウンドではスポンサーパネルをバックに何人もインタビューを受けていたが自分は外へ。球場前は屋台の前で多くの人がガヤガヤしている。この、「試合後の球場前」の雰囲気が僕は好きだ。一軍のスタジアム前の人波の中では決して味わえない雰囲気である。
ちなみに、この日泊まったルートイン藤岡は素泊5000円。日曜夜なので安かった。これで野球チケットがついて朝食もバイキングなのだから大変にお得だと思う。


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