都市対抗野球神奈川2次予選

三菱重工横浜 3 - 2 新日本石油ENEOS
横浜スタジアム 観衆約4,000人(目測)

横浜スタジアムといえば関内、と長年そう思ってきたが、実はアクセス方法は根岸線関内駅だけでなく、今はみなとみらい線の「日本大通り」駅でも行けることにやっと気づいたのは昨年の都市対抗野球神奈川県予選のとき。日本大通り駅構内には、ベイスターズの柱巻き広告が貼ってあるし、スワローズとの対戦を「東横シリーズ」と銘打って盛り上げるようにもなった。関内に比べればちょっと歩くが、たいした距離ではなく、地上に上がって少し大通りを歩けば、もう遠くに横浜スタジアムの特徴的なY字型の照明塔が見える。
都市対抗野球神奈川県予選はここ数年見に行っている。社会人野球には珍しいナイトゲームなので、一番日の長い今の時期にビール片手に社会人観戦(しかもプロと違って席もゆったり)するのが楽しみだ。
昨年の予選は、三菱重工横浜と日産自動車の引き分け再試合、そして再試合も延長で決着という、球史に残る名勝負を目の前で見た。それが日産自動車の(いまのところ)最後の都市対抗予選となってしまったのが残念だ。あれを見た人は、誰でも間違いなく社会人野球のファンになっていただろうと思う。

神奈川県の企業チームが2つも姿を消し、出場枠はなんと1になってしまった(2位チームは関東予選へ)。この日はトーナメントの最初の試合、負けたら出場を逃す厳しい試合だ。
午後6時10分くらいにスタジアムに着くと、新日石、重工両チームが応援受付をしている。社員でいるフリをしてしれっとチーム券をもらえばタダで入れるのだが、そこはマイナー野球ファン、苦労している社会人野球を慮って1000円払って入場。レベルの高い野球を見るのにタダというのは虫が良すぎると思う(人が良すぎるとも言うが)。
試合は2回の表、席に座ってビールとおにぎりを開けると、いきなり三菱重工横浜のエース・亀川裕之(広島商―法政大)が一発をくらう。つづいてまたも一発。2-0。何が調子が悪いのかよくわからない。単にストライクを置きに行ったところを打たれただけだろうか。
ENEOSの先発は大城基之(宜野座高―名桜大)という新人。5回まで重工をヒット1本に抑えるが、6回に反撃。田城の一発でまず1点、次に今野のタイムリーで同点。この間まで展開が早く、いつのまに6回になっていた印象。


2回表にスタンドに入った当初は去年ほど観客はいないかなと思ったのだが、やはりそこは平日ナイターで、仕事を終えて急いで来たと思われる両社のファン(というか社員)の皆さんが続々と現れ、試合中ごろには去年並みの動員となった。一塁側がENEOS、三塁側が重工なのだが、僕個人の印象では重工側のほうが観客が2割くらい多い。そして、応援が1.5倍くらい熱い。これは昨年の日産戦でも思ったことだ。
昨年の重工の応援はたしかブラバンも少なく手拍子の応援が主体だったと思うが、今年は力も入っていて応援団が来ていた。ただし、社員の応援が神奈川社会人で一番熱いのは今日の試合で改めてわかった。
都市対抗予選以外の試合、例えば神奈川県春季大会とか、日本選手権予選などは入場無料で、会場は保土ヶ谷が多く、観衆ははっきりと少ない。しかしその少ない観客でも、重工への声援は一番多いと思う。これは数年にわたり神奈川の社会人野球を見た僕の印象だ。
なぜだろうか?それはまた改めて考えるとして・・

7回、ENEOSのピッチャーはベテラン・廣瀬。新人・大城は三塁側スタンドの声量にさすがに圧倒されたか?
しかし、その廣瀬に対し三菱ふそうから移籍の佐々木勉がバックスクリーンへソロホームラン(打った瞬間は見逃してしまった・・)。試合をひっくり返した。三塁側は大騒ぎ。応援歌があるらしく、肩を組んで歌っているグループも。
重工の亀川は3回以降立ち直り、球速こそあまりないが落ちる球の切れが良いのか、ゆるい変化球でカウントを稼ぎ、落ちる球で三振、というパターンが多かったと思う。ほとんどピンチらしいピンチはなかった。
試合はそのまま3-2で三菱重工横浜が制した。途中までリードされていたが、先発が中盤以降好投を続けるなかで流れが変わったという典型の試合だったと思う。試合は約2時間半で、延長16回で5時間を要した昨年とは大違いだった。