早くも今シーズンベストゲームか?@東京六大学春季:東大x早大


昨日、例年と違った観戦スタイルなんてことをつぶやいたのだが、いきなりそれを翻すように六大学観戦。そして、その最初の試合は実に見事だった。


東大の好投手・宮台康平(湘南)を見に行く目的で行った神宮、相手の早大は(って僕はこっちのOBなんだけど)おそらく同じ左腕、しかも同じ3年生の大竹耕太郎(済々黌)だろう。これはきっとロースコアのいい試合になる。神宮へ歩いていく途中には「8回まで0-0なんてあるかも」と思ったりもしたが、まさかそれが本当に実現すると思わなかった。

早大の大竹が最初からコントロールに苦しみ、東大はランナーを出すが得点に結びつかず。
一方の宮台。今日は最初から低めのストレートが良く、早稲田は三振を繰り返す。最速は142Km(ボール球なら145Kmもあった)で、コンスタントに138〜9Kmを出す。これは本当にすごい。東大の投手って課題評価される向きがあるがこの投手は本当にいい。

低めのストレートのキレの宮台に対し、大竹はどこから腕が出てくるかわからないフォームからきわめて多彩な変化球を動かしてくる。同じ左腕だがタイプが全くことなる。似ているのはただ「相手打線が打てない」ことだけだ。

「こりゃ六大学の華になりそうだ」と僕は思った。これは見ごたえがある。
想像だが、この試合はお互い意地の張り合いになっていたと思う。あいつより先に降りるわけにいかない。そんな気持ちがこの日の良さを引き出していたように感じた。


先にマウンドを降りたのは大竹の方だった。
9回表、代打に立った下雅意が右中間を破るツーベースを放ち、ここで小島和哉(浦和学院)にスイッチする。ここで東大は四球、内野ゴロ、盗塁で1アウト2,3塁と絶好のチャンスを得るが、後続が三振、サードゴロに倒れ得点ならず。宮台を援護できなかった。


そして9回裏。
ヒットとバントで2塁にランナーを置いたところで、早大の三倉進(東邦)が中途半端にスイングしたバットに当たり、ふらふらっと上がってレフト前に落ち、さらにそれを後逸してしまう間に2塁ランナーがホームイン。サヨナラ負けという結果になってしまった。息詰まる投手戦の果てに、なんという幕切れか。あっけなさすぎてスタンドもなんだか力が抜けた感じになってしまった。


最後は変な終わり方になってしまったが、この二人の対戦するカードはぜひまた見てみたいと思わせた。東大相手の試合だと来ないという六大学ファンの人達も、宮台のピッチングは一度見てみてほしい。