三軍

きのうぐらいに阪神の掛布2軍監督がこんなことを語っていたらしい。
阪神掛布2軍監督「3軍構想」巨人GMから情報収集 - 野球 : 日刊スポーツ
提灯記事っぽいが、掛布監督が巨人の三軍構想に関心を抱いているのは確かなようだ。
その巨人は、ご存じのようにドラフトで大量の育成選手指名を行った。
「育成の巨人」復活へ。新設の三軍制度はどこまで機能するのか?|プロ野球|集英社のスポーツ総合雑誌 スポルティーバ 公式サイト web Sportiva
少し前に清武GMの時代に、ロッテと組んで育成選手中心のチーム「シリウス」を創設し、独立リーグや社会人と試合をしていたのは記憶に新しい。しかし清武氏がチームを去るとその構想はとん挫し、いつのまにかシリウスも立ち消えになっていた。そこへ来て再びの三軍構想である。明らかにソフトバンクの三軍を意識しての構想だろう。


NPBの二軍というのは役割が複数あって、一軍選手のリハビリと若手選手の育成だが、その若手選手といってもほぼ即戦力の社会人・大学から高校出たてのまだ体づくりを優先する選手までいる。それらをすべて一緒くたにするのは無理があるということで、清武GMの構想以前にもこういう構想はあったらしい。それも、だいたいが数年で立ち消えになっていたようだ。


僕は以前、「第二の二軍」や育成選手という考え方に好意的だった。アマチュア野球との交流も図れるし、実際に試合も結構見に行った。企業チームの数も減って久しかったし、受け皿にもなるという狙いにも共感できた。
しかし最近は諸手を上げて賛成、という気持ちにはならなくなっている。それは、毎年秋に告げられる「戦力外」の多さゆえだ。入れる数も多くなったが、出て行く数も多い。一軍にまったく手が届かないまま、高卒の選手が数年でユニフォームを脱ぐ。しかも年棒は最低だと240万程度。
たしかに夢をかなえた選手もいる。それから、従来だと戦力外だった選手が、育成選手として再出発する機会を与えられるようにもなった。それでもなんだか、腑に落ちない。企業チームの受け皿と言っても、引退後はその会社で働ける(そうでないところもあるけど)が、育成選手だとそれはないわけだし。
「ほんとうにそれでいいのかな」という気持ちがする。それでも、育成選手でもいいから、少しでも夢舞台に近いところにいたいという選手が多いのだろうけれど。


本気で三軍を作ろうというのなら、施設やコーチ陣もしっかりと構築してほしい。遠征ばかりになりそうだというが、いっそのこと、本拠地に立候補したいという自治体を募っても面白いのではないか。