老舗と老舗の戦い@JABA足利市長杯(その2)

全足利クラブ 12 - 1 横浜金港クラブ
4/19 足利市硬式野球場 観衆約200人(目測)

第2試合の途中で、行列のできる焼きそば屋「とみや」(といっても軽トラの屋台)に買いに行ったものの、行列がいつもより長く20分も食ってしまった。球場に戻るともう始まる10分前。予定は14時のはずだったのに、2試合続けてコールドゲームのせいで50分も早く始まった。ただし、晴れのち曇りだったはずの天気が、だんだん雲が多くなり小雨がパラついてくるようになっていた。昨年秋に続いてのこの対戦は僕にとって3回目。せっかくここまで来たのでいい試合を見せてほしいところ。

庭月野・菊沢という大黒柱がそれぞれ去った両チーム、穴を埋めるのは大変じゃないかなと思ったチーム同士のこの試合、足利は昨年大活躍した黒沼克誠(明大)、金港は飯田啓介(橘学園高)という新人の投手。ちなみにスタンドを見ると、少しずつ人が増えてきている気がする。
1回は両チームとも2安打ずつ放つも無得点。2回に足利が四球を3つ選んで満塁とし、スクイズ成功で1-0、さらに押し出しで2点を先行する。ただし金港も毎回のようにランナーは出す。出すのだが、足利のバックが守備で盛り立てるなどで抑えている。思ったとおり、レベルが高くて見ごたえは十分。

黒沼と金港のクリーンアップの対戦も興味深かった。ベンチもこの平野と田中の二人は警戒しているのがわかる。平野には「全部ボール球でいいよ〜」と声がかかっていた。しかし3回には平野がうまく三遊間へ放つ。この人はパワーだけでなく、すごくうまさがある。
こう着状態のなか、5回表には2死から足利の4番・一澤孝一(作新学院大)がヒットで出ると、セカンドの近藤政樹(順天堂大)がセンターの頭を伸びて越す三塁打を放ち貴重な追加点。この中押しはけっこう大きいか、と思ったが、金港はまだまだ粘る。
黒沼が4回無失点で降板すると、全足利の2番手は川口拓巳(栃木農高)。いきなり田中大貴にフルカウントまで粘られ、右中間に長打を放たれる。二塁を蹴って一気に三塁まで。「野球太郎」にも有力選手として載っていたこの選手は、走攻守ともすべて魅力がある。神奈川の企業相手の試合が楽しみだ。

無死三塁というピンチだったが、川口がここからが見事で、平野を外の球で空振り三振に仕留めたのも驚いたが、続く5,6番を三振とレフトフライとし切り抜けた。これまた北関東の企業相手に投げるところを見てみたい。


スタンドは中盤になってたくさん(といってもクラブチームの試合にしては、だが)の人が来たが、完全に足利のホームの雰囲気で、金港がヒットを放っても、まるで大リーグのように静かなまま。しかし、近くに金港を応援している女性達が何人かいた。誰かの追っかけみたいな雰囲気だったけど、わざわざ横浜から来たんだろうか。人のことは言えないけど。
3-0のまま迎えた7回、金港はいまはエース格になった白田大樹を前の試合に続き登板させる。去年の秋は好投したが今日は連投、どうか。
1死から内野安打でランナーを出すと、3番の吉原啓太(日大国際関係学部)。カウントは忘れたが、白田の球をジャストミートし、球は右中間に飛び込む特大の2ラン。スタンドは大歓声であった。それにしても、快心の当たりだったな。

7回裏、金港はようやく点を取る。足利の4番手戸崎和磨(白鴎大足利高)から田中が足で稼いでセカンドを奪うと、平野がさすがの右打ちで田中を還し5-1とする。ただし1点止まり。このまま終盤で、いい試合だったな、で終わるかと思ったが、、


9回に金港が崩れだし、連打と四球が止まらない。ストライクを取りにきたところを狙われあれよあれよという間になんと7失点。締まったいい試合だっただけにこれは残念だった。12-1というスコアになってしまったが、実力的にはこんな差はない。どちらも守備も走塁もレベルが高く、とても面白かったことだけは強調しておきたい。はっきり言って、前日のBCリーグの試合よりこの両チームの方が守備のレベルはずっと高かった。


昨年、茨城GGがクラブ選手権で優勝したため、関東は枠がひとつ増えて5になる。いままでの北関東・南関東の区別がなく、「関東予選」というかたちになった。どういう組み合わせになるかまだわからないが、組み合わせによってはひょっとしたら対戦もありうるかもしれない。