全日本クラブ選手権3日目

ミキハウスREDS 4 - 0 千曲川硬式野球クラブ
水沢駒形野球倶楽部 2 - 1 全足利クラブ
9/8 西武ドーム 観衆約300人(かなりいいかげん)
前日にひきつづき西武ドームへ。この日は鎌ヶ谷で日ハムと社会人との交流戦があったようだが、迷わなかった。
球場に着いたとき、ミキハウスが三塁にランナーを置いている。どういう経緯で出したかわからないが、犠牲フライで先制。それが2回の表。
この第2試合のお目当てはミキハウスREDSの強力2本柱、萬谷康平と山田秋親。この千曲川戦は予想通り萬谷が先発した。千曲川は、元TDK千曲川に所属していた菊池秀俊(平成国際大)で、これも投手戦になるような気がしていた。

イスに座ってみていてすぐ、この萬谷っていう投手がかなりいい投手だということが素人の僕にもわかった。球筋がきれいで、指から離れたときの角度がいい感じがする。回を重ねてくるうちに、こりゃクラブチームじゃなかなか打てそうもないと思うようになった。球速はどれくらいか忘れてしまったけど、速度をメモしてないくらいなのでそれほど目立つ数字ではなかったはず。でも打てない。
これに対し千曲川の菊池を見ていてメモに「攻略するのは難しい」と書いた。ゆったりとしたフォームから速い腕の振りでストレート、スライダー?を投げる。元企業チームの投手らしいマウンドさばきがよくわかる。5回まで1-0のスコアのままだった。その間ほとんど僕はメモをしていない。
千曲川のいる三塁側には思ったより多い地元ファンが駆けつけている。かつてのTDK千曲川時代から応援している人達だろうと思ったが、経歴を見ると、TDK千曲川の本拠地が佐久市なのに対し、今年のクラブは小諸市を拠点に活動しているという。もっとも、空色に赤いアクセントのあるユニフォームはTDK時代と同じ色使いだ。
6回に試合が動く。2アウトながら1,3塁にランナーをためたミキハウスは中本恭平(拓殖大)が三塁横を抜けるタイムリーで追加点。なおもチャンスが続くが、菊池がインコースに見事に決め三振で切り抜ける。
7回にも連打を決め3-0とする。が、その次の打者が浅い三塁ファウルフライを打ったあと、三塁走者が思い切ってスタートを決め、タッチをくぐってホームイン。三塁手の捕球体勢が悪いのを見透かしたタッチアップが見事。このプレーを見て、このチームは投手2本柱が目立っているが、かなりの試合巧者だと思った。
萬谷はNPB2軍に入ってもローテーションに入れそうな雰囲気で、無失点で終える。千曲川も守備が堅くて1年目ながらとても良いチームと思ったが、今回は相手が良すぎた。
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観戦2試合目。真剣に試合を見ているせいで、ろくに写真を撮っていない。


全足利と水沢駒形は去年の1回戦と同じ顔合わせ。去年は8回大逆転負けで、水沢駒形はきっと打倒足利のつもりできているはずだ。先発は足利が黒沼克誠(明大)、水沢駒形が高橋城朴(城西国際大)。
駒形の高橋は序盤から荒れ気味で、四死球を続けて出し、3回裏に馬場敏次(高田高)にチェンジ。去年、足利に逆転打を打たれた時のピッチャーだ。3回裏は2三振で切り抜ける。
その後の4回表、それまで無失点に抑えていた黒沼から、1死1塁の場面で玉城宏二(沖縄国際大)がレフト際2塁打を放ち、1塁から一気にホームに還り先制。さらに代打の佐藤辰哉(専大北上高)に直球?を狙われタイムリーで2-0となる。

全足利は5回裏までノーヒットに抑えられる。駒形の投手陣は、正直言って驚くような球を投げるとは思わなかったが、ネット裏で見ていて翻弄されているような気がしてならない。
6回裏、新藤大輔(東日本国際大)がセンター前、一澤孝一(作新学院大)が三遊間を破りようやくチャンスが訪れる。三塁側スタンドも盛り上がるが、三振、ファウルフライとチャンスをつぶしてしまう。
7回裏、高橋悠輔(ウェルネス)がセンター返しで出塁し、バントで送ったあと吉原啓太(日大国際関係)の三遊間で再びチャンスを作る。9番・吉田智和(神奈川工科大)の内野ゴロの間に1点とり2-1。ようやく見ているほうも力が入ってきたのだが、ここで駒形は馬場から松本利隆(岩手県立大)にチェンジし、凡退させて1点止まり。
8回裏には一澤が再びセンター前へ運ぶが、クリーンアップが連続三振。この日、全足利はどうしても1点が遠かった。ネット裏で見ていると、バッテリー、特にキャッチャー玉城のリードがさえているんじゃないかと思った。
黒沼と、代わった甲斐誉久(日大国際関係)はよく投げて試合を作ったと思う。でも今年は、去年の雪辱を果たそうという水沢駒形の気持ちが勝ったか。この大会、これで関東勢はすべてベスト8で消えてしまった。
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2日間見ていて、ネット裏の観客をキョロキョロ見ていたのだが、スピードガンを持っている人は見かけなかった。スカウトは来てないのかなと思ったが、あるとき僕の背後で「○○のスカウト、○○と申します」と声が聞こえた。某パリーグ球団のスカウトで、現役時代けっこう人気のあった選手だった。この方、クラブの監督さんを見かけるたびに名刺を渡している。これはちょっと驚いた。NPBのスカウトってクラブチームの監督さんにもちゃんと挨拶を交わすのか。それは人によるかもしれないが、こうやって地道に人脈を広げていくんだな。クラブチームからまたNPB入りする選手をぜひ発掘してほしい。
第3試合の途中、このスカウトさんはパンフを見つつ「この16番がいいんだよね」と会話をしている。全足利の16番は庭月野のことだ。今年の秋、いったいどういう結果になるだろうか。