チーム本拠地を巡って奪い合い?

この前JFL栃木ウーヴァFCのことをちょっと書いたら、あの後こんな記事が。
http://www.shimotsuke.co.jp/news/tochigi/sports/news/20130201/973124
足利市がチームの準本拠地として名乗りを上げ、さらには本拠地になりたいと言い出したら、栃木の市長さんがクギをさしたらしい。
クギをさすだけでなく、練習場の提供とか競技場使用料の大幅値下げ、金銭補助からさらには事務所の提供までというサービスぶり・・
野球関係者から見たらうらやましい話で、野球ではあまりこういう話は聞かない。強いてあげればNOMOベースボールクラブで本拠地移転の話が出たとき、いくつか立候補してくれた町があったくらいと記憶している。


栃木ウーヴァの場合、昨季の入場者平均が500人程度という報道もあり、スポーツによる振興というにはちとボリュームが足りない。将来Jリーグ入りを目指した場合を考えての投資なのかもしれない。
でも、そういう実利の話を別にして、もうちょっと別の理由はないだろうか。


「自分の町に皆で応援できるスポーツチームが存在するということ」ただそれだけでもスポーツチームを望む理由になりうると考える。例えばドイツでは、サッカーチームとオーケストラが存在することが都市のステイタスだということを聞いたことがある。
町にスポーツチームがあれば、市民皆で応援できる「場」ができる。この「場」をつくるというのが重要で、一度「場」を設ければこれをいろいろなことに使うことができる。
例えばスポーツチームを持つ自治体は、近隣自治体に比べ住む街を選ぶ際にワンランク有利になるかもしれない。特に住民転出に悩む地域ではなおさらだ。
それからこれは僕の勝手な意見だが、高齢化が進む地域において、スポーツ観戦にお年寄りをひっぱり出せないかと常々感じている。特に男性。地域の催しになかなか出てこない一人暮らしのお年寄りも、スポーツ観戦という場があればひょっとしたら来てくれるかもしれないし、その「場」を通じて交流が生まれるきっかけになるかもしれない。


そしてその場合、舞台はサッカーよりも野球だと思う。今の人はともかく、昔はスポーツと言えば野球、相撲であったから、高齢世代がそそられるのは今でも野球だと思うのだ。
そう考えると、今の社会人野球は、もっとソフトとしての野球を生かせるはずなのだが。なんかもったいない。