どうした、『野球小僧』


今日本屋に行きスポーツ誌のコーナーを見ていたら、見慣れたイラストが表紙の、A5版くらいの野球雑誌を見つけた。名前は『野球太郎』。
そしてその隣には、おなじみの『野球小僧』が並べて置いてあった。ただし、表紙の佇まいからしてリニューアルされていることは容易に想像できた。野球太郎のほうの表紙は、以前野球小僧の表紙を飾ったこともある方のイラストだ。
「ケンカ別れだな」僕はこれらを見て直感した。


野球小僧を初めて見たときは新鮮だった。ドラフト候補が主な記事だったが、現役選手へのディープなインタビューや、ドラフト候補の高校生の球を直に受けに行ってみたり、昔の名選手へ話を聞きにいったり。そして決してNPBMLBにべったりではなく、社会人復興プランとか、独立リーグの現状などを伝える記事があったりして、ベースボールマガジンでは網羅できないような記事がたくさんあり、読んでいてとても面白かった。


この日手にとってみた「小僧」。イタリア帰りのGG佐藤や、アメリカの独立リーグでプレーした選手へのインタビューを載せていたりはしてるのだが、なんか雰囲気が違う。全体的にディープさが薄くなっている
特に、おなじみだったドラフト候補の一覧を見てびっくりした。選手の数そのものが少ない。今までと全然違う。なんだこれは。
そして「太郎」のほうは、・・これ、表紙を見なかったら誰もが「小僧」と間違えてしまうような構成。ドラフト候補一覧のページなど今までの小僧と全くといっていいほど変わらない。


どうしたことか?
いろいろネットで調べてみたら、どうも野球小僧の出版社の上層部が不祥事を起こして逮捕されたらしく、そこから雲行きがあやしくなったらしい。当時の編集長などが独立して編プロを作り、別の出版社から「野球太郎」を出すことになったようだ。そして、リニューアルされたという「小僧」は、外注して作らせているという。どうりで雰囲気が違っているわけだ。


他の分野でも例えばチョイ悪ブームを作った「LEON」とか、自動車雑誌の「NAVI」などで似たようなケースがあったと記憶する。しかし、こういうキナ臭い分裂騒ぎは見る楽しみを削いでしまう。別に楽しけりゃいいだろうと言われればそうなのだが。