内野スタンドとファウル


札幌ドームの内野席で観戦していた女性に、ライナー性のファウルが直撃し、片目を失明するという痛ましい事故がかつてあった。
http://headlines.yahoo.co.jp/hl?a=20120713-00000166-jij-soci
僕のように、野球は内野で見ることにしている人間にとって、これは身につまされる話だ。
幸いにして観戦中にボールが当たったことはないが、硬式球は持ってみると本当に硬い。あれが百何十キロのスピードで飛んできたらやはり怖い。古い球場で見ていて、ファウルがバックネットを超えて屋根裏に当たったりすると、「バァーン!」っていうものすごい音がしてまわりの人がびっくりすることが多々ある。それくらい硬いもんです。
ファウルボールが当たったことによる損害賠償の事例はこれが2例目のようで、昨年2月の事例では原告の訴えを棄却したうえで、こう付け加えている。
“楽天ファウル訴訟”ボール直撃男性の請求棄却― スポニチ Sponichi Annex 野球

「臨場感も観戦における本質的要素で、必要以上に過剰な安全施設は観戦の魅力を減少させ、プロ野球の発展を阻害する要因になりかねない」

この判決を去年聞いたとき至極まっとうな意見だと思った。いろんな球場で野球を見たが、バックネットがすごく粗かったり、内野フェンスが妙に高かったりして、見にくいな〜と感じるところも多い。逆に、横浜スタジアムの内野席下部など、フェンスが低いところはやっぱり見やすい。スタンドとグラウンドが感覚的に近い感じがして、見ていて楽しい。
ただしこの場合、見ている人にとってもそれなりの「覚悟」が求められる。どういうことかというと、「目を離してはいけない部分では目を離さない」ということだと思う。投手が投球動作に入ったら、基本的には目を離してはいけない。ボールが捕手のミットに入るか、バットに当たってどういう動きをするかを見極めるまでは。
場内アナウンスで「ファウルボールに十分ご注意ください」と毎度言ってみたり、ファウルが飛ぶと係員が笛を鳴らしたりするのは、慣例としてそうしてるんじゃなくて、実際に注意しなければいけないからだ。硬式野球を見るのは、少ないながらも危険を伴う。忘れがちだけれど、覚えていなければいけないことです。


しかし、マイナー野球を見ているとスタンドで子供たちが無邪気に走りまわっているのを見かけることがあるが、あれって危ないよな・・