警視庁野球部、初出動

警視庁野球部 3 - 5 全府中硬式野球倶楽部
9/4 府中市民球場 観衆約200人(目測)


ゆっくり北上する台風に西日本が大荒れになったこの週末は秋の野球シーズンの始まりで、珍しく東都大学リーグが土日に神宮で開催されていたが、僕が向かったのはそこではなく、「東京都クラブ秋季大会」をやっている府中市。普段ならまず見に行かない大会だがこの日はちょっと違う。あの「警視庁の野球部」の初めての公式戦だったからだ。
2009年12月に結成、だいぶブランクがあって今年の3月にクラブ登録を果たし、さらに半年経ってようやく試合にこぎつけた。この間、横浜でAPEC首脳会議があったり、クラブ登録を果たした途端に東日本大震災があったりして、どうしても機動隊の仕事が優先されてされてしまっていた。
実力うんぬんはともかく、警察の野球部というのがどういうチームなのか、どんな試合の様子なのか、純粋に興味を持った。土日にやる東都の試合も珍しいが、知名度抜群のこのチームの初陣なんて二度と見られない。
試合開始は11時半だがどうせ延びるだろうとタカをくくり、ゆっくり行って入ってみたらすでに2回の表。警視庁が2点先制されている。一塁側スタンドでは100人くらいのまとまった人たちがおり、警視庁が守備でいいプレーをしたりするとさかんに沸いていた。こりゃ間違いない、職場の同僚の人たち(つまりは機動隊の皆さん)だ。よく見るとバックネット裏も声援は警視庁へのものばかりだ。

警視庁、全府中とも名前を知っている選手はひとりもいない。大会パンフレット等も売っていなかったので経歴も全くわからないまま見る。警視庁の選手は若い選手が多そうで、体型も細身な感じがする。相手チームが太めの選手が多い(?)ので余計にそう見える。あと、長髪の選手や髪を染めた選手がいなかったのは予想通り。
警視庁の澤井という投手は、オーソドックスな投げ方で球も速くなさそうに見えたが、四球はあまり出さないし、あと縦に落ちるスライダー?が有効でよく空振りをとっていた。大崩れしなさそうで、たぶん大卒、それもレギュラーだったのではと思わせた。(後で調べたら、関甲新リーグの平成国際大でエース格だったらしい)
全府中はそんな澤井から3回に2点、6回に1点追加し5-0とする。警視庁は併殺が取れなかったり、ベースカバーが遅れて余計な進塁を許したり、やはり練習不足なのかなと思う。帰ってから毎日の記事を読んだが、7月下旬に練習を再開してから全体練習を3、4回しかしてないという。これは苦しい。だが時折守備でいいプレーもしてビッグイニングは作らなかった。

打線の方は全府中の先発投手を打ちあぐね、中盤まで2安打に抑えられるが6回、ようやく連打が出て2、3塁とするも凡退。安打が出た時のスタンドの沸きようは結構すごい。クラブチームの試合でスタンドが「沸いた」のをはっきり見たのは久しぶりだ。
台風通過後の都内は雲の流れも速く、時折真っ黒い雲が来てはすごい雨を降らせてく。この写真も突然ものすごい雨が降り出して、あわてて屋根の下へ逃げ込んで撮ったもの。しかしこの3分後にはもう止んでいた。一時中断になるかと思ったが、それはなかった。
全府中の投手はボールが先行しがちで球数も多かったが、8回にようやく警視庁がとらえる。四死球とヒットで1死満塁とし、ここで相手投手がアクシデントで交代。「代わりっぱなの初球を狙え」と思っていたら4番の捕手・松永が初球を右中間へ2点タイムリー。このときのスタンドの大歓声のすごかったこと。

さらにショートの内野安打で1点追加するも、2塁ランナーまでホームに突っ込んでしまいアウト。これはもったいなかった。ここでつないでいたら同点もあり得たので惜しい。
9回は四球で一人出るも0点に終わり、3-5で終了。ただ僕は、6回終了時点で0-5になったとき「ちょっとまずいな」と思っていた。7回に2点入るとコールドになるからだが、そこを踏ん張って9回まで持ちこたえてみせた。
スタンドには観客のほか、一眼レフを持った記者と思しき人たちが何人もいた。中にはTVカメラもいたりして、やはり「警視庁野球部の初試合」は記事になる。こういう試合でコールド負けにならなくて良かったと思う。
企業チームというのはどこも企業の看板を背負っている面があるけれど、「警視庁」の看板はある意味それ以上に重い。別に負けたからといって本業に影響はしないだろうが、「守備が乱れて大敗」などとなったらイメージ的に大丈夫かと心配になる。看板が重いわりには練習環境が整っておらず、何かあったら仕事を優先しなければならない中で率いる監督は大変だと思う。
さて、警視庁の野球部はどんなチームを目指せばいいんだろうか。
僕のイメージでは、豪打で点を取るが大雑把というカラーは似合わない。ヒットはたくさん打たれても徹底的な守備で残塁の山を築き、試合後半に1点をもぎとって勝つ。そんな感じがする。それにはまず、専用のグラウンドが欲しいところだ。


最後の写真は試合後の球場外の様子。この混雑のなか車が通り抜けようとしたとき、何人かの選手が「はい車通りまーす」と整理をしていた。さすが警察官(笑)


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